小田原市根府川の山林の一部を切り拓き、そばの栽培を始めた久下(くげ)雅史さん(41)。 小田原市生まれの久下さんは、母方の実家が代々所有し、ミカン栽培などを行ってきた土地が、高齢化などによって、20年ほど前から手つかずとなっていたことを知った。
現在は秦野市に住み、同市で土木工事会社や飲食店、不動産業などを営む久下さん。小田原市から新規就農者に認められたことで、今年から挑戦が始まった。母所有の約1万9000平方メートルのうち約20アールのヒノキや一部のミカンの木などを、自社の重機を持ち込んで伐採し整備した。
そばの栽培が初めての同氏に、秦野市でそば栽培の経験が豊富な「丹沢そば本店」の石井勝孝会長がサポート。根府川の畑まで出向いて指導を行った。生育は順調で、9月末ごろには、初めての新そばとして収穫が見込まれている。
「そばを手始めに、果樹やシイタケ栽培に取り組んで、観光農園にするのが将来の夢です。『根府川そば』みたいにブランドになったらうれしい。根府川地域のまちづくりにつながるよう頑張って続けていきたい」と、抱負を話した。