真鶴町の選挙人名簿を不正にコピーし、自らの町長選挙に利用した問題で町長を辞職すると表明した松本一彦氏は10月29日、町議会全員協議会で新たに、今年9月の町議選を前にコピーを立候補者3人に渡していたことを明らかにした。また、住民基本台帳の転出届などの個人情報も不正にコピーしていたことも新たに認めた。26日の緊急会見の際、松本氏はコピーを渡した相手について、町の元職員だった候補者1人だけと答弁していた。ただ29日には一転し、岩本克美議員、青木健議員にも渡していたことを認め「偽りの答弁をして申し訳ない。議員2人を巻き込むことで、さらに大きな問題になることを恐れた」と弁明した。
全員協議会後に開かれた記者会見には、松本氏、岩本、青木両町議が出席。町議2人は町選挙管理委員会の職員からコピーを受け取ったことを認めた上で、岩本町議は「手元にあること自体がいけないと思い、破棄した」、青木町議は「受け取ってから1週間ほどで焼却処分した」と話し、両議員ともに町議選には利用していないとした。
10月の臨時議会で議長に選出されていた岩本議員はこの日、議長職を辞任する意向も表明。ただ岩本、青木両町議ともに、議員辞職については否定した。
町によると、松本氏の辞職、岩本議員の議長辞任は11月4日の臨時の議会で承認されるとした。
また両議員を除く町議8人は、全員協議会の中で、コピーは受け取っていないと明言した。
情報流出に不安の声
一連の不正コピー問題で、町民の間には個人情報が流出したことへの不安が広がっている。町内に約30年暮らしている女性は「情報が流れていると思うと、嫌な感じがする。こうした報道を見ると、選挙のとき立候補者は皆同じようなことをしているのではないかと思えてしまう」と口にした。 (11月3日起稿)
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