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公開日:2023.11.11

言葉で守る町並み
真鶴町 『美の基準』が30年

  • 言葉で守る町並み (写真1)

  • 美の基準デザインコードブック(中央・右)と美の基準を解説する「真鶴手帖」

    美の基準デザインコードブック(中央・右)と美の基準を解説する「真鶴手帖」

  • 30周年イベントを企画するまちづくり課の職員

    30周年イベントを企画するまちづくり課の職員

 どこか懐かしさを感じる港の風景、静かに散策できる背戸道、小松石の石積みと樹木の緑…。東京から1時間半圏内にありながら真鶴町では、昔と変わらない町並みが現在も残る。「美の基準」を定めた「真鶴町まちづくり条例」が施行され30年を迎える今年度、町では様々な催しが企画されている。

 通称「美の条例」と呼ばれるこの条例は、1980年代後半に真鶴町にも押し寄せてきたリゾートマンション建設の波に対抗するものとして93年に制定、翌年1月から施行された。当時、国や県は内需拡大のためマンション建設を推進していたが、住民間では反対運動が巻き起こっていた。町の良さを守ろうと、「合法だが不当」な開発を阻止するため「どのようなまちにしていきたいか」を明らかにする必要があった。当時の三木邦之町長と弁護士、都市プランナー、建築家の3人の専門家が中心に、「土地利用規制基準」「建設行為の手続き」に続く3本柱として、条例の中に「美の基準」が定められた。

生活風景に重点

 美の基準は「町の良いところ」を「美しいもの」と定義し、「場所」「コミュニティ」「眺め」など8つの基準に属する69のキーワードで表現される。キーワードは当時の住民有志による「まちづくり発見団」の報告書を参考に、住民たちが日々の暮らしの中で感じる「真鶴らしさ」「生活風景」に重点が置かれた。数字ではなく、言葉を基準とする類をみない実験的な試みだったという。言葉と写真、イラストを使ってまとめられた「美の基準デザインコードブック」も発行され、30年を経た今も受け継がれている。

美の町のこれからを探る

 近年は、美の基準をきっかけに移住を決めた人も多く、現在では町をけん引する存在にもなっているという。今回、町は30年を振り返る記念イベントを元々の住民と移住者に協力を依頼し企画。「美の基準week」と題し11月26日から12月3日にかけて、「まちづくり発見団」「美の町を語るお茶会」「美の町の今トークフェス」などを実施する。図書館に記念コーナーを設置し、「美の基準デザインコードブック」をはじめ、条例作成時の参考文献、まちづくり発見団の報告書などが閲覧できる。まちづくり課の職員は「美の基準は言葉だからこそ余白がある。誰もが参加でき、育てていくもの。住民と共に美の町・真鶴のこれからの形を探っていきたい」と話した。

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