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小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記

公開日:2026.09.12

小田原市社会福祉協議会の手話講座に協力する「手話サークルたんぽぽ」の代表を務める 井手 弘子さん 平塚市在住 71歳

  • 井手 弘子さん (写真1)

指先で紡ぐ共生の輪

 ○…9月23日の「手話言語の国際デー」に合わせ、小田原市社会福祉協議会が行う手話入門講座に協力する「手話サークルたんぽぽ」の代表。聴覚障害は周囲に気づかれにくく、ろうや難聴、中途失聴など多様な聞こえにくさがある。「紙に書くことや口話と同じように、手話も伝えるための一つの方法」といい、「単なる手まねではなく、表情や動きも含めて相手の思いに寄り添うことが大切」と語る。

 ○…ドラマ「愛していると言ってくれ」(1995年)で、豊川悦司さんが手話を使う姿に「なんて素敵なんだろう」と魅了された。設立間もなかった同サークルの会員が講師を務める講座で学び、入会。当初は会員同士が手話で会話する光景に目を丸くし、「(『なに?』を意味する)人差し指を左右に振る手話ばかり使っていた」と頭をかく。相手に手話が通じたときの喜びを糧に、活動歴は30年近くになる。

 ○…これまでの趣味は絵画や西洋書道のカリグラフィー、フランスの伝統工芸カルトナージュなど、手や指先を使って表現するものばかり。「でも、長く続いたのは手話だけ」と笑い、時間を見つけては平塚市や秦野市などのカフェ、レストランを巡るのもリフレッシュの時間という。「夫は写真、私は手話」と、互いに没頭できる生きがいを持つことが夫婦円満の秘訣だ。

 ○…「オレオレ詐欺」や「爆買い」などの新たな手話が生まれるなど、言葉と同じように手話も変化を続けている。それでも、「私たちが手話を学ぶだけではなく、健聴者の社会のことも知ってもらいお互いが平等の立場で歩んでいきたい」という思いは変わらない。障害の有無で線引きをせず、「手話を通して、誰もが住みやすい社会を目指していけたらいい」。

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