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小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記

公開日:2026.08.29

小田原市漁業協同組合刺網部会長を務める 江森 正典さん 小田原市江之浦在住 61歳

  • 江森 正典さん (写真1)

海の未来を若者につなぐ

 ○…20人ほどが所属する市漁業協同組合の刺網部会長と、今年で2回目となる「小田原刺網漁業塾」では20、30代の塾生相手に講師を務める。海底に網を張り、夜間に泳ぐ魚を狙う刺網漁。塾生にはその技術のほか、「海は共有財産で、漁師はライバルであり助け合う仲間でもある。資源や環境を共に守っていく大切さも伝えていきたい」と、新たな担い手の育成に意欲を見せる。

 ○…相模原市出身。幼い頃から釣り好きで、大学でも水産関連の分野を専攻した。卒業後は漁業関連の団体職員として全国の港を回る中、江之浦の漁業者と出会った。「当時は新規就業者を育成する制度など、何もない時代に未経験だった自分を受け入れてくれた。パワフルでエネルギーにあふれていた」と、その熱意に感化され漁師の世界に27歳で飛び込んだ。5年の修業を経て32歳で独立し、刺網漁の道へ。毎日潮や風を読んで網を張り、「翌朝にかかっているかなと答え合わせをする」と、ベテランになっても自然相手に試行錯誤の繰り返しだ。

 ○…愛船「海真丸」では遊漁船も兼業し、土日には一般客を案内して魚の美味しい食べ方を教えるのも楽しみの一つ。自身の好きな魚は「値段も手頃で唐揚げにすると美味い地元のアンコウだね」と笑う。休日は旅行へ出かけ、妻と酒蔵巡りを楽しむのが息抜き。「自分は運転手だから飲めないんですけどね」と目尻を下げる。

 ○…部会長になって5年。近年減少傾向だという海藻の保護や、ヒラメの稚魚放流といった資源管理・保全活動のほか、現在は「小田原あんこう」のブランド化にも取り組む。「新しい技術や発想を取り入れながら、若い人に刺網漁の可能性を広げてほしい」と、海の未来に思いをはせた。

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