戸塚区・泉区 社会
公開日:2026.09.10
大地震への備え「日頃から」 泉区・藤岡区長インタビュー
9月1日は「防災の日」。1923(大正12)年9月1日に関東大震災が発生し、死者・行方不明者10万5千余人という大惨事となった。以来、防災対策の重要性を考える日とされている。今回のタウンニュース防災特集では泉区の藤岡謙二区長に、地震への備えについて話を聞いた。
3千棟延焼の試算も
――大地震が起きた場合、泉区のリスクは?
「区内には住宅が密集している地域があり、大地震が発生した場合には延焼火災による被害が懸念されています。試算では、火災によって約3千棟が焼失する可能性も示されています。
また、狭い道路が多い地域では消防活動が難しく、被害が拡大するおそれがあります。地震への備えでは建物の耐震化だけでなく、火災への対策も重要です。まずは、お住いの地域のリスクを知ることから始めていただければと思います」
――被害を減らすためにできることは?
「特に注意していただきたいのが、停電後に電気が復旧した際に発生する『通電火災』です。これを防ぐには、大きな揺れを感知して自動的に電気を止める『感震ブレーカー』が有効です。横浜市では設置補助制度も用意しています。
また家具の転倒防止や非常持出品の準備など、身近な対策を進めることも大切です。防災を特別なことと捉えず、日常生活の中で少しずつ取り組むことがポイントです」
防災拠点訓練へ「参加を」
――家庭での備えに加え、地域とのつながりも重要だと思います。
「泉区には22カ所の地域防災拠点があります。地域防災拠点は避難所としてだけでなく、安否確認や情報共有、地域住民同士が助け合うための活動拠点として重要な役割を担っています。
災害時には『公助』として行政が食料や飲料水などの支援を行いますが、地域防災拠点を通じて届けられます。そのため、地域防災拠点の役割や運営を理解し、日頃の訓練に参加していただくことが大切です。
今年7月の熊本地震でも、迅速に支援を届けるうえで、地域と行政の連携の重要性が改めて認識されました。地域と行政の連携を進めるため、泉区では今年度も区災害対策本部である区役所と各地域防災拠点が連携する同時訓練を実施します」
在宅避難のために
――発災時は必ず地域防災拠点に避難した方がよいのでしょうか。
「必ずしもそうではありません。自宅に大きな被害がなく、安全が確保できる場合には、自宅で生活を続ける『在宅避難』が有効な避難方法の一つです。住み慣れた環境で生活を続けられることが大きな利点です。
一方で、在宅避難を続けるためには、食料や飲料水、携帯トイレなどをあらかじめ備えておく必要があります。そのため泉区では、各家庭でこうした備蓄を進めていただくようお願いしています。在宅避難をする場合でも、物資や情報は地域防災拠点を通じて提供されるため、地域とのつながりは重要です」
――区民の皆様へメッセージをお願いします。
「日頃の小さな備えの積み重ねが、ご自身やご家族、そして地域を守る力になります。行政からの支援が始まるまでの最低3日分の物資を備蓄すること、家具の転倒や通電火災に備えること、家族で安否確認の方法や集合場所を話し合うこと、地域の防災訓練に参加すること。いつ、どこで起きてもおかしくない災害への備えは『いつか』ではなく『今日から』進めましょう」
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