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公開日:2011.04.14
小山圭子さんがパリで優勝
クロード・カーン・ピアノコンクール
秦野市出身の小山圭子さん(26歳)が3月にパリで行われた「クロード・カーン・ピアノコンクール」ピアノソロ最上部門で金メダルを受賞。副賞として4月3日、パリの由緒あるホール「サルガボー」で演奏を行った。
小山さんは3歳からピアノを習い始め、国立音楽大学ピアノ科を卒業。2007年に渡仏、フランス国立地方音楽院リュエイユマルメゾン校のピアノ、室内楽ともに上級課程の一等賞を得て卒業した。現在もパリに住み、ピアノを学んでいる。
「実は、パリに留学をしてからというもの世界各国から”我こそは”と集まってきた学生のレベルの高さに圧倒され、自信喪失、劣等感と戦う毎日でした」と話す小山さん。そんな中、ある有名なピアニストに出会い、「忘れかけていた音楽への愛を呼び戻していただいた」のだという。「引っ込み思案だったので、コンクールなんてとんでもないと思っていた」という小山さんが、留学してから初めて応募したのが今回のコンクールだった。
コンクールはパリの教会で3月19日に行われた。課題曲であったショパンのエチュード「大洋」と自由曲のスクリャービンのソナタの5番を弾いた。
ショパンのエチュード「大洋」は、大きな海で大小の波がうねっているような曲。東日本大震災の津波の被害の一報があった直後で「とても複雑な気持ちでした」としながら、「島国の人間ですし大きな海とは切っても切れない血が流れているのか、自分では感情豊かに弾ける得意な曲の一つ」と話す。審査員からはこの曲が特に評価されたという。
コンクールについて小山さんは「思いがけない優勝で、審査員の方々からも嬉しい評価をきくことができました。ここから頑張ってみよう、と思うきっかけになりました」と振り返る。
小山さんは音を美しく、感情豊かに、ドラマティックに弾くように常に心がけているという。「ここからさらに技術を磨いて、よりよいピアノを人々に届けられたら、と思います。世界の貧しい地域の方々や、恵まれた環境でもふとしたきっかけで心が貧しくなってしまった方々に私の演奏で元気付けることが夢です。音楽の力は科学をも超えるほど無限だということを信じています」と語っている。
同コンクールは、フランスの著名なピアニスト、クロード・カーン氏が設立した歴史あるコンクール。フランス各主要都市で開かれており、子どもから、専門的にピアノを勉強する28歳までの若者が対象。今年で42回目を迎えた。
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