県立生命の星・地球博物館の学芸員 田口公則(きみのり)さん 秦野市在住 45歳
今でも「理科好き少年」
○…厚木市七沢出身。豊かな自然に恵まれ育った理科好き少年だった。海外で理科の授業を行う日本人のテレビ番組を見たことがきっかけで理科の先生を志し、鹿児島大学の地学科へ進学した。大学1年生の夏、種子島調査中に報告書にない化石の地層を発見。その後も種子島では未発見だったセンニンガイの化石の発掘などを通し、地質学・古生物学の魅力にどっぷりはまった。「発掘は見つけたもの勝ち。その興奮と醍醐味を1年目で実感できたことは貴重」と当時を振り返りにんまり顔。卒業後は、青年海外協力隊の地質学隊員としてヨルダンのペトラ遺跡の保全プロジェクトに参加した。
○…同館に入館して今年で15年。4年ほど前、市の報告書で、丹沢山地で採掘され、農器具を砥ぐために昭和40年代まで流通した戸川砥石の存在を知った。博物館では貝化石などを担当、砥石は本来専門外だが「地元にそんな石がと驚きました。風化させる前に残したい」と休みを利用し調査に乗り出した。
○…調査をするうち情報だけでなく、同じく戸川砥石に魅せられた仲間が集まり、自然とグループが出来た。メンバーで話し合い「まず戸川砥石のことを知ってほしいのは秦野の子どもたち」と、昨年本町小学校で戸川砥石のプチミュージアムを開催。予想以上に反響があり、現在市内で活動の輪を拡大中だという。
○…調査・仕事の疲れを癒すのは、奥さんの手料理。食卓で愛娘の話が上がると「実は最近余り話せていなくて。娘も中一。互いに忙しく仕方がない」と口にしつつ、奥さんの「実際のところは?」の問いかけに「…寂しい」としょんぼり肩を落とす。そんなお父さんの夢は、娘と一緒に丹沢山に登ること。「孫と石拾いもいいですね」と満面の笑みを浮かべ「戸川砥石は秦野の資源であり宝。子どもたち、その子どもたちにまで伝わっていくものであってほしい」と話した。
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田原ふるさと公園野菜直売研究所0463-84-1281/そば処東雲0463-84-1282 https://www.kankou-hadano.org/pointinformation/pointinformationguide/point_tawarafurusatokouen.html |
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