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公開日:2013.06.20

市内千村
蛾の珍種 県内2例目か
クロメンガタスズメ

  • 左から学芸員の渡辺さん、茉歩ちゃん、悠太くん

  • 制作中の標本(吉田会長提供)

 市内千村の田んぼ周辺の木の幹で6月8日、人の顔に似た背面の模様が特徴的な蛾「クロメンガタスズメ」が発見された。2011年に横浜市で採集された記録が神奈川虫報に記載されているが、県立生命の星・地球博物館(小田原市)では、「それに続き県内では2例目の発見になるのでは」と話している。発見者は、この田んぼ周辺を手入れしている秦野・冬水たんぼの会の吉田嗣郎会長の孫の鈴木茉歩(まほ)ちゃん(7歳・横浜市在住)。



 秦野・冬水たんぼの会の田植え日だったこの日、茉歩ちゃんは弟の悠太くんと一緒に田植えを手伝うために遊びにきていたという。昼食時、なにげなく枯れ木につかまろうとした時、ちょうど茉歩ちゃんの目の高さと同じ位の場所にクロメンガタスズメがとまっていた。第一声は「何これっ」。その声に驚いた会員たちが近寄ると、見たことのない蛾がいたという。



 自然や動植物の映像制作を本職としている吉田会長も「初めて見た」といい、傷つけないようにプラスチックの容器に入れて自宅に持ち帰ったという。名前も分からなかったため図鑑で探すこともできず、翌日、孫2人と出かける予定になっていた地球博物館へ持参した。



 同館へ行くと、たまたま昆虫学芸員の渡辺恭平さんがおり、蛾を見た瞬間に「珍しい」と驚きの表情を浮かべたという。渡辺さんから、標本にして県内の昆虫をまとめた冊子・神奈川虫報への発表を進められた吉田会長は、クロメンガタスズメの自然死を待って、6月12日から標本の制作に取り掛かった。



 現在、吉田会長の自宅で自然乾燥中だといい、標本が完成したら渡辺さんと一緒に発表の内容を相談する予定だという。



 珍しい蛾の発見者として自分の名前が後世に残ると吉田会長から説明を受けた茉歩ちゃんは、「すごく大きくて、気味の悪い模様をしていて嫌だと思ったけど、私の名前が本に載るのは嬉しい」と喜んでいた。



 クロメンガタスズメは、チョウ目スズメガ科の昆虫で、骸骨蛾の名で知られる南方系の大型の蛾。今回発見されたのは、羽を広げた状態で107ミリだった。

 

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