第1回書道展を開く翠径教室の総師範 小林綵翠(さいすい)さん(本名 小林 三枝子さん) 渋沢在住 62歳
「一生、書き続けます」
○…「先生、私たち、これだけ書けるようになりました」。亡き師匠に作品を見てもらいたいという想いを添えて、展示会の準備が進む。「字には書いている人の感情が出ます」。1人ひとり違うので、生徒から書き方や言葉の伝え方を学ぶことも多いという。
○…義母である師匠の教えは書道人生の基礎を作り、今でも支えとなっている。特に「100%完璧な作品は無い」という言葉は強く響いているようだった。「何年経っても満足する作品はできないと思います」。今度はこうしよう、もっとこうしようと、次への原動力となっている。「先生には書いている過程を楽しめって言われました」。嫁と姑の関係ではなく師弟関係だったという言葉が、師匠の存在の大きさを物語る。「同じ年齢になっても師匠を超えることはできないです」と話す表情は、尊敬と愛情に溢れていた。
○…作品を書く時は長時間部屋にこもり、電話も切って集中力を最高潮に持っていく。その分、書道から離れた時はエネルギッシュだ。ご主人と海外旅行に行くこともしばしば。現地の市場は珍しい食材がずらりと並び、国の個性が表れるため好きだと話す。「値切るのも楽しくて」とにこり。思い出を話している時も目を輝かせ、心が弾んでいるようだった。「自分が知らなかったことを知るのが面白いんです」。美術館で絵画を見るのも、自前の一眼レフカメラで写真を撮るのも、全て感性が磨かれる大事な時間。「書道に偏らず、いいと思うものをたくさん見ます。必ず書にも通じるものがありますから」。
○…「まだまだ鼻たれ小僧」と言われる所属流派の稽古。ピリリと張りつめた空気も「緊張感が楽しい」と笑う。「何度も繰り返し練習です。1歩1歩前に進めるように」。今度の展示会は天国の師匠に見てもらいたいが、それでもまだ自分の書に満足はしていない。「生涯稽古です」。言葉に力がこもった。
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田原ふるさと公園野菜直売研究所0463-84-1281/そば処東雲0463-84-1282 https://www.kankou-hadano.org/pointinformation/pointinformationguide/point_tawarafurusatokouen.html |
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