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秦野 文化

公開日:2015.05.06

嶽神社で猿まわし
 旅の芸能一座 猿舞座

  • 「鯉の滝登り」を披露する環君と耕平さん

  • 約40人が観覧した

 「日本で唯一」という旅の猿まわし芸能一座・猿舞座が4月29日、嶽神社(秦野市西大竹)で約40人の観客を前に猿まわしを行った。

 拠点である山口県岩国市を出発し、大型連休中に震災の被災地・福島県へ慰問を兼ねて巡る途中、同座座長の村崎修二さんの30年来の友人である高橋隆博さん(西大竹)の勧めもあり、休憩がてら秦野に立ち寄り、古来より続く伝統芸能を披露した。

 修二さんのリズミカルな太鼓に合わせ、役者出身の息子・耕平さんが軽妙な語り口で猿まわしを始めた。この日、芸を披露したのは3月に初舞台を踏んだばかりの環(たまき)君(2歳)。デビュー間もなく、恥ずかしがっている環君を見て観客はにっこり。「鶯の谷渡り」や「鯉の滝登り」など大技を披露すると、歓声と拍手が巻き起こった。

 江戸時代、猿は牛や馬を守る神として北は松前、南は薩摩に至るまで城があるところには「猿曳き」と呼ばれる猿まわし師がいたが、戦争により一時途絶えた。村崎さんは、学者の調査により、自分が140年以上続く猿曳きの末裔ということを知って以来40年近く、伝統芸能を未来へ伝えるべく猿とともに全国各地を巡業している。

芸は”信頼”で仕込む

 逆立ち1つ教えるのに3カ月を費やすという修二さん、耕平さん親子。棒でたたき、支配関係で芸を叩き込む「にわか仕込み」の方が覚えが早いが、繰り返し練習して、褒めてやり芸を仕込む「本仕込み」で教え込む。修二さんは「この仕事は人と猿、2つで1つ。信頼関係がないとだめ。時間はかかるけど褒めて教えたほうが、猿も面白がって次々と自分でやってくれる。難しい芸になるほどそれがいきてくる」と話した。

 耕平さんは「猿まわしを2回見ると幸せになるという話があるので、また秦野に戻ってきてやりたいです」と観客に笑顔を見せた。

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