創立50周年を迎えた秦野市剣道連盟会長 力石(ちからいし) 眞治(しんじ)さん 渋沢在住 73歳
剣道こそ、我が人生
○…意気衝天、鯉が滝をのぼるがごとく、子どもたちに青空へと羽ばたいてほしいとの思いや願いを込め設立されてから半世紀、改めて自分に言い聞かせるように「諸先輩方が継続してきた活動とその武道精神を次世代へつなげるよう努力を続けたい」と会長としての抱負を語る。
○…新潟県柏崎で生まれ育つ。父の薦めで小学6年から剣の道へ。昔から運動神経は良かったというが、中学では陸上の才能が開花。3年生で出場した新潟県大会では走り幅跳びで当時の県新記録を樹立した。「当時はスパイクなんて無くてね。陸上用の足袋で走ったんだよ」と懐かしそうに振り返る。記録は5m81cm。「嬉しくて嬉しくて忘れられない数字」と目じりを下げて笑う。中学時代は剣道と陸上の二足のワラジだったが、高校進学してからは陸上に情熱を注いだ。
○…再び竹刀を握ったのは30歳の時。健康のためだったという。職場のあった横浜市内で週2、3回練習を行い、技と技の戦い、そして心と心の戦いの面白さを知り、剣の魅力に取りつかれていった。秦野に引っ越し後、すぐに剣道連盟に所属。己の鍛錬をはじめ、子どもたちへの指導に尽力してきた。日々慌ただしく過ぎていくというが、孫を膝に乗せ晩酌している時が今は何より幸せだという。「何でこんなに可愛いのだろうね」。道場で見せる鋭い目つきからは想像できないほどに顔をほころばせた。
○…明日3月13日は50周年記念青少年剣道祭が開かれる。200人以上がエントリーしているといい、「身が引き締まる思い」と真剣な表情に。礼儀作法を学び、人間形成への道となるのが剣道だときっぱり。「次の輝かしい50年に向けて、未来ある子どもたちと共に歩んでいきたい」。現在は、剣道教士七段。年齢を考えながらも、時にはその年齢を忘れて稽古に励みたいという。「剣道こそ我が人生。まだまだこの人生を楽しんでいきたい」。
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