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秦野 人物風土記

公開日:2016.04.23

昨年の全国選手権で優勝したFMXライダー
原田 かけるさん
市内堀西在住 15歳

憧れ胸に 目指す高み

 ○…4歳でバイクにまたがり、10歳ではじめたフリースタイルモトクロス(=FMX)。「安定の2位」と言われ、表彰台の最上段に立つことは今までなかった。しかし昨年末に行われた全国選手権で、観客やジャッジをどよめかせる大技を決めて、念願の初優勝を果たした。ガッツポーズを決め「家族や友人、スポンサーみんなに、とにかく感謝」と喜びを語る。

 ○…広島で生まれ、大自然の中で駆け回る幼少期を過ごす。父の転勤で、FMXコースの多い関東へと引っ越してきた。平日は学校、週末は練習遠征。帰ってきて整備をして翌週末の遠征に備えるというバイク漬けの毎日。それでも「丹沢の稜線を見ると、あそこを走ってあそこで飛んで…」と常日頃イメージするのはFMXのことばかりだ。友人と遊んでいても「ママチャリで飛んだら、着地の衝撃でホイールを曲げてしまって親に絞られました」と無邪気に笑う顔は、まだあどけなさを残す。

 ○…FMXは練習できる場所が福島、茨木、愛知など限られており、自然と競技者どうしが仲良くなる。その中でも幼いころから面倒を見てくれ「先輩で、先生で、兄」と慕ってきた、世界で活躍する2人のライダーの存在が励みになっている。遅くまでつきっきりの練習をしてくれることも多々あった。試合時にユニフォームとして身に纏うのは、タンクトップとハーフパンツ。どちらも憧れる先輩のトレードマークだ。

 ○…中学に直談判し、文化祭でFMXについての発表とブースを確保したことも。「知ってもらうことが競技の向上に繋がるから」と語る眼差しはアスリートそのもの。先輩が背中で教えてくれたことだ。背を追いながら、まずはディフェンディングチャンピオンとして再びの栄光を目指す。「自身も楽しんで、観客を沸かせてナンボ」という先輩の教えを胸に、毎週末愛機に火を入れ、高みを目指して宙に弧を描く。

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