秦野赤十字病院(高木繁治院長・秦野市立野台1の1)は、日本赤十字社の第2ブロック(関東甲信越地区)からの依頼を受け、4月27日から5月1日までの日程で、熊本地震の被災地へ救護班を派遣した。
秦野赤十字病院が派遣した救護班は、同病院の大林由明第一内科部長を班長とし、医師2人、看護師3人のほか薬剤師、事務調整員、ボランティアら10人で構成。先行して出発した救急車、医療用資機材を積載した自動車と現地で合流し、最も被害が大きかった益城町の東側に隣接する西原村に入った。
28日から避難所のひとつ「にしはら保育園」に設置された「dERU=国内型緊急対応ユニット」と呼ばれる大規模災害発生時に出動する仮設診療所を拠点とし活動を始めた。
その中で秦野赤十字病院救護班は、28日から近隣の小中学校など7カ所の避難所の巡回診療に取り組んだ。避難所では「具合が悪い人はいませんか?」と声をかけてまわり、1カ所の避難所に1時間半ほど滞在し10〜15人の患者を診察した。自宅の後片付け中のケガの治療や、アレルギーや呼吸器疾患などの慢性期の症状への対応、糖尿病や高血圧など処方箋が必要な人への診察などが多かったという。また中には避難所暮らしという環境のなかのストレスにより眠れなくなったなど、精神的な不安を口にする人もいたという。
その一方「派遣されてきた保健師の方たちが衛生面に気を遣っていたため、トイレなども清潔に保たれていた」と大林医師が印象を話すように、同医療班が担当した避難所ではノロウイルス、インフルエンザなどの感染症が問題になることはなかった。
活動を終え秦野に戻った大林医師は「自分たちが活動中も何度か大きな地震に見舞われ不安を感じた。近隣の病院も再開しているところも一部にはあるようだが、まだまだ予断を許さない。早く日常が取り戻せる日が来てほしい」などと話した。
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