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秦野 社会

公開日:2017.04.06

「ひげかつ」6月閉店
東海大生ら支え43年 惜しまれ行列

  • 資子さんの最終勤務日を終えた菊地さん夫妻右上の写真は、改装前の店舗で40年前に撮ったもの

  • 店の前にできた来客の列

 東海大学湘南キャンパスの道向かいで43年、学生や職員の腹を満たしてきた、とんかつ店「ひげかつ」が6月で閉店する。同大の山下泰裕教授や塚田真希選手など、同店のトンカツを食べて五輪で活躍した選手も多い。



 同店は、相模大野でレストランを経営していた店主の菊地智一さん(72)資子さん(72)夫妻が1975年に開業。店名は智一さんの髭顔にちなんで付けた。



 「東海大生は品が良い子ばかり」と資子さん。中高生の時に孤独を味わった自身の生い立ちから、資子さんは来店客を「おかえりなさい」と笑顔で迎え、一人で暮らす多くの学生の心の支えとなった。何年も前から下肢静脈瘤のため日頃は杖を使って歩くほど脚が痛んでいたが「ただいま、と店へ入って来る人たちに会えるのが楽しくてやめられなかった」と資子さんは言う。



 店の前の県道613号が拡幅されることから「新店舗を出す体力はない」と閉店を決意。同大職員がFace bookで閉店について投稿した1月以降、閉店を惜しむ卒業生などが全国各地から来店している。



「おばちゃん」最後の日



 資子さんが店に立つのは3月31日で最後だった。この日、雨天にも関わらず店先には行列ができた。来店客らはサクサクのカツを頬張ると「おばちゃん、今までありがとう」と別れを惜しみ、智一さんに「また食べに来るね」と声をかけ店を去って行った。



 4月以降は昼だけの営業になる。智一さんは「これからは細々とやっていくのでメニューも限られてしまうが、6月まではなんとか頑張りたい」と話した。

 

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