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秦野 人物風土記

公開日:2018.01.26

ASIAGAPを取得した「秦野いとう農園」のオーナーを務める
伊藤 隆弘さん
菩提在住 59歳

農家の可能性探し一歩

 ○…「農業は自由度が高い。何を育てるかは自分で設定できるし、仕事をしながら趣味だってできる。若い人にそれを強く訴えていきたいですね」と口調に熱がこもる。サラリーマンから転身し「秦野いとう農園」を開園して10年以上。ASIAGAPを取得し、新たな1歩を踏み出す。

 ○…千葉県出身。一般家庭に生まれ農業とは縁がなかったが、離農者が増加している事に常々疑問を感じていた。食べる事が好きで、農業という「生きるために大切な仕事」に関わるのも面白そうだと、大学卒業後はコンピューター技術者として会社勤めをしながら、軽い気持ちで当時住んでいた鎌倉の農家に週末研修へ。しかし農地の確保など非農家が農家になるにはハードルが高く、片手間にはできないと感じたという。

 ○…45歳の時に会社を辞めて、かながわ農業アカデミーに入校。本格的に農家になるための勉強を始めた。県内で新たに農地を探し、縁あって秦野へ。2005年に「秦野いとう農園」を開園した。初めは野菜がメインだったが、その後ブルーベリーなどの果樹も増やし、現在は総面積1・7haの畑で夏野菜を中心に市場への出荷と収穫体験などを行っている。「最初は品質の良い物をまとまって出荷できなかったり、台風や雪、鳥獣被害などで予想外の負担がありましたが、今は経験を積んで思った通りにできるようになりました」と笑う。非農家出身の視点を生かした収穫体験も好評で、参加者の笑顔が励みになっているという。

 ○…趣味はテニス。中学時代から続けており、会社員時代には実業団にいたことも。「仕事をしながら趣味も楽しむ…そんな農家の目標になりたいですよね」とイキイキとした表情。昨年には念願のマイホームを建て、家族と暮らす。収穫した野菜が食卓に並ぶのはやっぱり「贅沢だなぁ」としみじみ。若者へ新しい農家の姿を示しつつ、やりがいのある仕事を貫く。

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