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秦野 社会

公開日:2018.11.09

「印象派の授業」で数学を好きに
北中学校の山口教諭が県から表彰

  • 放課後、生徒の質問に答える山口教諭(左)

  • 一次関数の変化の割合の覚え方

  • 山口教諭の丁寧な解説が書き込まれた生徒のノート

 秦野市立北中学校の教務主任・山口勝久教諭(58)が、2018年度神奈川県優秀授業実践教員表彰の受賞者に選ばれ11月21日(水)に表彰される。数学科教諭として秦野市内の中学校で生徒と向き合い36年。”教科書を使わずに生徒の心に印象付ける”個性的な授業で、数学の楽しさを伝えてきた。



 「マイマイプー(負の数×負の数=正の数)、プープープー(正の数×正の数=正の数)」「ワイワイ(y)騒いでいる変なⅹ星人」…授業はいつも、生徒が思わず笑ってしまうような公式の覚え方の復習で始まる。教科書は使わず、理解のしやすさを追求した独自の手法は「ユニークで情熱を感じる」と生徒から好評。答えにつまずく生徒も決して置いていかない。



 北中での勤務は5年目。今年度は初任者育成を担い授業は担当していないが、放課後に質問を受けるなど生徒の家庭学習を支える。今年4月の全国学力・学習状況調査では、2年間教えてきた3年生の7割が「数学が好き」と答えたという。



間違いをつぶせば正解が見つかる



 山口教諭の原点は中学生の頃。「勉強してもテストで1〜3割しか取れないほど数学が苦手だった」といい、3年生の時の数学教諭がその努力に気づき、一つずつ丁寧にミスを見つけてくれたおかげで苦手を克服した。これまで授業初日にはいつも自身の話をし「間違えてしまいそうな所は全部経験してきたつもり。一緒につぶしていけば正解しか残らない」と生徒を勇気づけてきた。



 新任時代は教科書に沿った授業を行っていたが、「もっと得手不得手がでないようにするには」と考えるうち、教科書から離れ”印象派路線”を開拓。すると、生徒たちの反応がよくなり意欲も高まった。信頼関係を築き、分かりやすい授業をするようになると、生活指導をしても生徒に浸透しやくなったという。



 「『初めて60点取れた!』と生徒が笑顔を見せてくれるのが嬉しい」と山口教諭。「全員が数学を得意になるのは難しいかもしれないが、好きになってもらえたら」と語った。

 

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