香水など化粧品の製造・販売を行っている香料の会社「株式会社 香師」(秦野市堀山下100の3/松野秀至代表取締役)が、秦野名水を使ったアルコール除菌用スプレー「アルコプッシュ」と携帯用サイズのフレグランススプレーを開発した。新型コロナウイルスに対し企業として何かできることはないかという松野代表の思いで、期間・数量限定で手作業で製造している。アルコプッシュはインターネットは介さず、渋沢エリア中心に地元で販売する方法を模索していく。
香師は専門学校で学び、ハンドメイド化粧品や入浴用ソープなどを手掛けるラッシュジャパンに8年勤めた松野代表が2010年に調香師として独立し、4畳半の部屋で起業した。今では社屋を構え芸能人のプライベートブランドを手掛けるなど成長し、市のふるさと納税返礼品にも独自製品を提供している。
コロナ禍の中、同社が考えたのが多量のアルコールを使う香水の技術の延長で製造可能なアルコール除菌スプレー開発。感染症拡大を防ぐ一助になろうと着手した。
同社の設備は化粧品製造の許認可を県から受けており、製品はこの基準に則り製造。材料も化粧品に使うグレードのものを使用している。アルコール濃度は除菌と手荒れのバランスを考慮し、70%に設定。これに秦野の水と、手を保湿する成分である化粧品用グリセリンを加えた。
開発で最も苦労したのが水の成分。名水といわれる秦野の水にはミネラルが多く溶け込んでいるため、澱ができてしまうという。これを抑えるため、水道局に成分を問い合わせ研究した。
処理済みの水を使えば簡単だが、「地元の水で作ったものを地元で利用して欲しい」と工夫を凝らした。製品には「秦野名水」のラベルが貼られ、また、少しでも日々の生活に潤いを提供したいという思いから、同社の得意分野である「香り」が付けられている。
先行して作ったフレグランススプレーはインターネットで販売しているが、アルコプッシュの本体と詰め替え用は今後考えられる第2波に備え、可能な限り安価に抑えた価格で地元に提供していく方針。「渋沢エリアを中心に販売委託できる店舗を探しています。売れればマージンをお支払いする形で、少しでも地域経済の循環にもつながればと考えています」と、松野代表は話した。
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