安全功労者内閣総理大臣表彰を受賞した 田村 一彦さん 市安全運転管理者会会長 75歳
いつも思いやりの心で
○…市安全運転管理者会長をはじめ、県安全運転管理者会連合会理事を務めるなど、長年にわたる交通安全活動に尽力した功績が認められて表彰を受けた。受賞の一報は秦野警察署長から。「突然、『おめでとう』と声をかけられて。推薦されていたことも知らなかったから驚いた」と笑う。
○…東京都台東区出身。太平洋戦争の最中に産声をあげた。「焼夷弾が降る中、母が自分を抱いて逃げ回ったと聞いた。母が守ってくれたおかげで今がある」。高校卒業後に東京の専門学校でテレビ関連の勉強をしながらテレビ朝日の前身、日本教育テレビでアルバイトを始めた。担当は番組名やスポンサー名の入ったフィルムを映像に合わせて手動で流す仕事。「少しでもずれると放送事故になる。秒の世界だった」と振り返る。
○…大学入学、卒業後もテレビ局の仕事を続けていたが1970年に府川電機工業の創業者である妻の父に誘われ退職、仕事を手伝いはじめた。神奈川県にテレビ局ができるまでという約束だったが、翌年に入社を決めた。電気関係など20種以上の資格を取得、事業所の総合電気設備や空調設備の工事などを行う。「管理者を任されたりで、辞められなくなった」と苦笑する。2011年に社長に就任、今は相模原市から会社に通い、従業員がやりがいを感じて働ける環境づくりに力を注いでいる。
○…安全運転を意識してもらうため、日ごろの活動や注意を呼びかける会報をメールで会員に年60通ほど送っている。「事故を出さないことが目標。一人ひとりが安全に気を使って相手を思いやり、安全で安心な地域になれば」。取材中も従業員が通ると「お疲れさま」と声をかけるなど、相手を気遣う心が随所でにじみ出ていた。
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