秦野 人物風土記
公開日:2023.10.13
第30回伝統工芸・神奈川会展で会長賞を受賞した
中島 克童(かつどう)さん
堀山下在住 69歳
丹沢の麓で挑戦を続ける
○…神奈川県在住の工芸作家により開催される展覧会「第30回伝統工芸・神奈川会展」で最高賞となる会長賞を受賞した。出品した作品は縞模様のグラデーションが特徴的な「灰釉銀彩大鉢・縞Shima」。「まだ実験段階の作品が受賞という形で評価いただけたこと、大変嬉しく思う」と喜びを語る。
○…東京都の一般家庭で生まれ育ったが、高校時代に都内の日本民藝館を訪れたことが人生の転機に。展示されていた韓国李朝時代の陶磁器に魅了された。「初めて見たのに懐かしさを感じ、こういったものを作りたいと思った」。美術予備校で立体造形の基礎を学んだ後、最初の修行先に李朝陶磁器と似ていると感じた萩焼の師を選んだ。
○…信楽焼や伊賀焼の師の元でも学び、独立したのは30歳の頃。憧れの李朝陶磁器タイプを焼成する窯に適した地理条件の塔ノ岳山道入口を選び、「克童窯」を建てた。窯の近くで妻と暮らすこともあり、生活しやすい場所であることも条件の一つ。「秦野は都心へのアクセスも良く、陶芸を続けていく上で色々な要素が揃った素晴らしい場所」と絶賛する。個展が無い時期には自治会活動に参加するなど、地域との交流も盛んだ。
○…自身の作風が見え出してからの40代・50代は、大規模な展覧会へ挑戦していたが、60代からは「工芸」の枠組みの中の「陶芸」を考えるように。「陶芸品が生活の中でどう愛され、息づいてきたか捉えるため、陶芸という世界だけに囚われないようにしたい」。神奈川会展への出品も、工芸の他部門への接点が濃密だったため。現在は「陶磁器による染色的表現」を目指しており、「新たな挑戦が続けられるのは、秦野丹沢の制作環境に支えられてのこと」と感謝を口にした。
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