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公開日:2023.10.20

葛葉緑地
環境省の保全地域に認定
「自然共生サイト」として

  • 葛葉緑地

 葛葉緑地(くずはの広場)が10月6日、環境省の自然共生サイト(民間の取り組みなどによって生物多様性の保全が図られている区域)に認定された。これに伴い葛葉緑地は、国定公園など保護地域以外で生物多様性の保全に貢献するOECM(Other Effective area-based Conservation Measures)として国際データベースに登録される。

 自然共生サイト認定は、環境省が今年度から始めた取り組み。今回、35都道府県122カ所が初めて環境大臣認定を受け、葛葉緑地もその一つとなった。県内では他に4件が認定されている。

 認定を受けた葛葉緑地は、秦野市曽屋の住宅地内にある葛葉川周辺の区域。1987年に県内の失われゆく緑地保全に取り組む「かながわのナショナル・トラスト」第1号に指定されたほか、2009年にはくずはの広場が「関東・水と緑のネットワーク拠点百選」に選出されている。また、1998年には自然観察の拠点「くずはの家」を整備するなど、市としても環境保全に力を入れてきた。

 2022年4月に環境省が発足した「30by30アライアンス」に登録していた秦野市は、かねてより保全してきた葛葉緑地を申請。豊かな自然や希少種の生息などが評価され認定された。また、直接の評価項目ではないが、くずはの家を拠点とした活動やボランティア団体の取り組みが環境保全意識啓発に貢献していると評価されたという。

 環境共生課は「豊かな自然の保全や自然教室などを継続し、より一層の活用を考えたい。また、ここ以外の可能性がある場所の登録も検討していく」としている。

国際的な枠組みに

 自然共生サイト認定の背景には、カナダ・モントリオールの国連生物多様性条約第15回締約国会議で採択された国際目標「30by30」がある。2030年までに世界の陸・海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全するための目標で、国内では陸地の20・5%、海域の13・3%が国立公園など保護地域として保全されている。

 環境省では陸・海ともに保全面積を30%にするため、OECMに登録する仕組みとして自然共生サイトの認定を開始した。これにより企業の森や里地里山、都市の緑地など、豊かな自然が保全されているにも関わらず30%の保全面積に含めることができなかった地域がカウントできるようになり、同緑地も30by30の中に組み込まれる。

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