秦野 人物風土記
公開日:2025.03.07
秦野市俳句協会の第13代会長を務める
竹村 敏(さとし)さん
名古木在住 83歳
身も心も、軽くなる俳句を
○…戦前から続く「秦野俳壇」を発展的に解消し、1969年に発足された秦野市俳句協会。歴史ある団体の第13代会長に就任した。「楽しく仲間と脳を鍛えられ、季語から自然との関わりができることが魅力」と朗らかに語る。例年実施している「秦野市民のための俳句入門講座」の開催とともに、新規事業も計画中。市の俳人の一人、故・高橋天蕾の句集の制作や販売の他、Web句会などを予定する。
○…京都府出身。転勤で、50年ほど前に秦野市に越してきた。定年後の趣味として始めたのが俳句。近所に住んでいた前会長に誘われたのがきっかけだったという。俳号は、竹村半掃(はんそう)。「半分だけ掃除する。面白いでしょ」とユーモアたっぷりにほほ笑む。2019年には、代表作の一つ「にんげんに すればいいやつ 蝸牛」などを収めた自身の歌集『にんげんに』を発行している。
○…現在は妻と2人暮らし。定年後に始めたもう一つの趣味が水泳だという。「俳句で頭を柔らかく、水泳で体を柔らかく」とのこと。バタフライ・背泳ぎ・平泳ぎ・クロールの4種目泳げるというから驚きだ。「90歳までマスターズに出場できるから、挑戦したい」。一度始めたら、とことん極めるタイプと伺える。
○…尊敬する歌人は松尾芭蕉。詩心を高く持ちながらも、日常を題材に表現は平坦に分かり易く。芭蕉の晩年の作風を表す「かるみ」が、自身が求める俳句の神髄だ。「最近はテレビでも俳句を面白く扱ったりしている。若い人が俳句に参加して、良い風潮だよね」。市内小学校教諭とのつながりから、小学生が作った俳句80句ほど鑑賞したことがあるそう。「子どもの俳句集も作りたい」。展望は広がるばかりだ。
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