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秦野 人物風土記

公開日:2025.03.21

鶴巻南で子どものための絵本文庫「ひなたぼっこ文庫」を運営する
菅沼 公(ひろむ)さん
鶴巻南在住 64歳

絵本文庫で温もり届ける

 ○…「昔から、漠然と子どもの居場所作りをしたいと思っていた」。昨年9月から、鶴巻南で古民家を改装した子どものための絵本文庫「ひなたぼっこ文庫」を運営する。支援学校教諭を35年務め、定年後に活動場所を探していたところ現在の物件に巡り合った。定期的に工作体験などイベントも実施。「母子での利用者が多いですね。絵本や子ども好きのご近所の方も立ち寄りますよ」

 ○…横浜市出身。小学生の頃から本が好きだった。母親が団地の集会所に図書館の本の一部を配置する活動をしていたので「手伝いで、自分も本を読んでました」と振り返る。高校時代、重度脳性マヒの当事者が綴った著書『神への告発』を読み、「自分にもできることがあるのでは」と突き動かされた。支援学校に見学に行って進路を決め、教員免許取得のため北海道の大学へ。神奈川県内の支援学校で教鞭を執ってきた。

 ○…結婚後、住宅の購入を機に秦野へ。市内で2人の息子を育てた。文庫のマークやチラシは、デザイン系の企業に勤める次男が作成したのだとか。家族も活動を応援しているようだ。現在、文庫の活動と並行して非常勤で支援学校に勤務。「その子が持っている力が発揮できるようになったときは特に嬉しい」。優しい眼差しの中に、子どもたちへの確かな思いをにじませる。

 ○…ヨガインストラクターの資格を持っており、公園で野外ヨガ教室を開催したことも。文庫でも実施を検討中だ。「緩める時間を過ごしてほしい」との思いからつけたひなたぼっこ文庫。教諭経験を生かし、必要があれば支援もできるが「押し付けず、来た人に合わせた気持ちの良い空間になれば」。包み込む笑顔が、文庫の一番の魅力かもしれない。

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