秦野 経済
公開日:2025.08.01
中栄信用金庫 中小企業景況レポート
先行き不透明感強まる
2025年4月〜6月実績
4月〜6月期の概況
全業種総合の業況判断D.I.は▲(マイナス)8・5を示し、前回(25年1月〜3月期)と比べ7・4ポイント改善。直前期の年末需要の反動減からの持ち直しで、卸売業、小売・飲食業で業況が改善するなど、不動産業を除く5業種で業況判断D.I.が改善した。しかし、アメリカの関税政策や日産自動車の生産縮小等、地域中小企業への影響拡大が懸念され市場の先行き不透明感が強まっている。
7月〜9月期の見通し
7月〜9月期の業況判断予想は7・2ポイント悪化の▲15・7。売上額D.I.は0・2ポイント小幅改善の▲5・1。収益D.I.は5・6ポイント悪化の▲10・4。
製造業
業況判断D.I.は前回調査比8・3ポイント改善の▲20・5。今期の受注状況は、輸送用機械部品製造業で一部落ち込みがみられるが、元請企業からの受注が回復したことから受注残D.I.は前回調査から15ポイント改善の▲6・8に。一方人手不足感が強く、省力化を目的とした設備投資等生産性向上に向けた取り組みがみられる。アメリカの関税政策については、日米交渉による関税政策の見直しが期待されている。7月〜9月期予想は2・3ポイント小幅改善の▲18・2。
卸売業
業況判断D.I.は前回調査比21・3ポイント改善の▲3・7。経営上の問題点として「売上の停滞・減少」と回答した企業が最も多く、売上確保に苦慮する企業が多くみられる。物価高を背景とする仕入価格高騰に対する対応策として、代替品への転換や一括仕入れによる仕入単価引き下げで対応する企業がみられる。7月〜9月期の予想業況判断は22・2ポイント悪化の▲25・9。
小売・飲食業
業況判断D.I.は前回調査比12・3ポイント改善の▲14・3。直前期における年末需要の反動減からの持ち直しや大型連休による来店客数の増加といった季節需要の取り込みにより売上額D.I.の改善がみられたほか、仕入価格高騰分に対する価格転嫁や一括購入で仕入単価の圧縮等による収益環境の改善が図られた。一方、顧客の消費マインドの低下など、マイナスの影響は引き続きみられる。7月〜9月期予想は15・8ポイント悪化の▲30・1。
サービス業
業況判断D.I.は前回調査比10・7ポイント改善の▲2・3。直前期の年末需要の反動減からの持ち直しで、運送業では配送需要が供給量を上回り、利幅確保を目的とした受注の選別を進める企業がみられる。しかし、人手不足感は依然強い。技術が品質に直接つながる理美容業や医療・介護業では、人材の流動化でサービス品質の維持に苦慮する企業がみられ、教育訓練強化を重視する声も上がる。7月〜9月期予想は6・8ポイント改善の4・5。
建設業
業況判断D.I.は前回調査比2ポイント改善の9・9。受注状況は主要取引先からの施工依頼数が安定的に推移している。しかし、今期の売上額D.I.ならびに収益D.I.の悪化については、人手不足に起因する受注機会の損失や工期長期化の影響に加え、輸入コストの増加による木材や鋼材を中心とした仕入価格高騰の影響が挙げられ、長期的な問題点として常態化している。7月〜9月期予想は16・5ポイント悪化の▲6・6。
不動産業
業況判断D.I.は前回調査比5・7ポイント悪化の▲11・4。商品仕入れ状況は悪化傾向で、在庫高D.I.は▲42・8と直近1年間の中で最も悪い数値に。背景には、仕入価格の高騰や土地造成工事事業者の人手不足による工期長期化の影響がみられる。商品販売状況は地域でバラツキがみられ、県東部や湘南エリアに比べて鈍い。価格転嫁も顧客の消費マインドの低下で思うように進んでいない。7月〜9月期予想は5・7ポイント悪化の▲17・1。
■調査時期/2025年6月上旬
■調査地域/秦野市、伊勢原市、平塚市、厚木市、開成町
■調査企業数/340社
■回答企業数/320社
※D.I.値とは、ディフュージョン・インデックス(Diffusion Index)の略で、「良い」「やや良い」と回答した企業の割合から、「悪い」「やや悪い」と回答した企業の割合を引いた値。値が小さいほど業況判断は悪いということを表す。
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