泉区のいきものイラスト作品展をテアトルフォンテで開催する 安斉 俊さん 相模原市在住 29歳
生き物の魅力を絵に込め
○…今にも動き出しそうな、生命力に溢れた色とりどりの昆虫たち。身の回りにいるのに気づかない小さな生き物の営みをユーモアたっぷりに表現したイラスト作品展を12月13日から25日まで、泉区民文化センター(テアトルフォンテ)ギャラリーで開催する。昆虫をメーンにすることについて「名前だけで嫌われてしまうのは腑に落ちない」と話し、本来の魅力を知ってもらおうとペンを走らせる。
〇…埼玉県川口市出身。郊外のベッドタウンで、周りには生き物があまり見当たらなかった。今思うと「いなかったのではなく知らなかっただけ。気づかない間にちょっとしたことで生き物はいなくなってしまう。それは勿体ない」。小学校低学年のとき、クラスで世話をしていたチャボの絵を描き祖父母に見せると、予想以上に褒められ戸惑った。自分ではそこまで描けているつもりはなく、沸いてきた「悔しい」という感情が絵へ向かわせた。
〇…小学生から抱き続けた漫画家の夢は、大学時代も途絶えることはなかった。ただ「具体的な一歩を踏み出すことが必要だった」と苦笑交じりに当時を振り返る。所属していた漫画研究会の後輩が本気で取り組む姿勢を見て「誰かに向けて絵を描いたことはなかった」と実感。少年漫画のような人間ドラマではなく、皆が気付かない生き物の魅力を絵で伝えるという自らのスタイルを生み出した。お気に入りの昆虫は「ハリガネムシ」。説明は淡々と進むが、生き生きとした表情が思いを表す。
〇…寝る間を惜しんでイラストを描く日々。昨年からは図鑑の挿絵など、イラストレーターとしての仕事が増えてきた。泉区のNPO法人ゆめたまの環境保護活動を手伝ううち、同センターや天王森泉公園のポスター等を手掛けるように。今後の目標は「自らの絵で、これまでお世話になった人たちの研究を世に伝え、恩返しがしたい」。確固たる意志を覗かせた。
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