市立港中学校のマラソン大会が11月25日、根岸森林公園で行われ、全校生徒約400人が参加した。青空のもと保護者らの声援を受けながら、起伏の激しいコースを1年生男子と女子は約2・6Km、2・3年生男子は約4Kmを完走した。3年間連続学年女子1位でゴールした高橋愛菜さん(3年)は、「(バスケ部を)引退した後なので特に坂がきつかった」と笑顔を見せていた。
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このマラソン大会は同校で40年間続いた伝統行事だが、今年が最後となった。理由は、生徒の健康安全面などを確保することが難しくなったため。近年子どもたちの持久力低下から、練習の度に体調不良になるケースや、ゴール後に倒れ込む生徒が続出。医師の派遣なども検討したが実現できず、学校から離れた場所で養護教員が1人で対応するには限界が出てきたという。特に、中国などの外国籍および外国につながる生徒が全体の4分の1にもなる同校では、母国で長距離を走る習慣がない子も多い。
同校の木村奨校長は、「競う大会となると頑張りすぎて無理をしてしまう。今年は保護者に看護師ボランティアをお願いして対応したが、毎年確保するのは難しい。40年間続いた行事を終えるのは残念だが、子どもたちの安全のためやむを得なかった」と説明。校内にはマラソン大会の歴代記録が張り出されており、これを励みに記録の塗り替えを目指して頑張る生徒も多かったという。「持久走は苦手だけど、自分の力を試せる行事だった。マラソン大会がなくなるのは寂しいが、『最後だから』とみんな頑張っていた」と、生徒会長の森谷蓮さん(3年)。
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以前は多くの学校で行われていたマラソン大会だが、走る場所がない、週休5日制による授業時間の確保などで、今ではほとんどが廃止になっているという。中区西区内でも港中を最後に、マラソン大会を行う中学校はない。区内の多くの学校では「体育の授業のなかで、子どもたちの持久力を高める取組みを継続していきたい」と話している。
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