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神奈川区 人物風土記

公開日:2013.12.12

「神奈川県優良組合及び優良役職員表彰」で優良役員を受賞した
岩本 稔さん
横浜魚市場卸協同組合理事長 62歳

魚の語り部として

 ○…「表彰されたことは喜ばしいがその反面、複雑な気持ちだな」。横浜市中央卸売市場にある70店舗の仲卸業者で構成される魚組合。市場で働く一員として、行政との連携や他市場との情報交換などに奔走する。「とにかく組合のため」と何度も口にするが、現在の水産業に昔のような勢いはない。「漁一つとってみても空振りすることもあれば、たくさん獲れすぎると値段が落ちてしまう心配もある」と苦心の日々だ。

 ○…故郷は海のない栃木県。大学進学を目指し上京すると、予備校に通いながら市場でアルバイトをした。「(現在社長を務める伊勢三の)先代の息子の家庭教師なんかもやったよ」。大学卒業後の進路も決まっていたが、先代の誘いで市場の世界へ。「本当は社会科の先生になりたかったんだけどな」と笑う。魚の目利きは実践を重ねて体で覚えた。自信を持って売った魚を「脂がのっててよかったよ」と言われたときの喜びはひとしおだ。

 ○…先代が急逝し、38歳で伊勢三を任された。「今までは自分が頑張るだけだったけど、みんなのことも見てあげなきゃいけないから大変」と、社員を思いやる。そんな会社経営の傍ら、同組合では毎月第1・3土曜日に市場一般開放を開催。同市場第1号のおさかなマイスター取得者として、区民らに魚の捌き方やおいしい調理法を伝授している。「昔の魚屋がお客さんに教えたように、うまい食べ方を教えると喜んでくれる。語り部だな」

 ○…2人の息子は独立。一人はフランスの一つ星レストランで仕入れまで任されている料理人だ。今は妻と2人暮らし。歴史好きで、弁当を作って一緒に鎌倉などを散策するおしどり夫婦。市場の再編計画など、山積した課題を踏まえ「業者によって考え方もさまざま。ただでさえ市場が落ち込んでいるから、いい方向に進めて盛り上げていきたい」と、ハマの市場に全身全霊を注ぐ。

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