八王子城跡にある八王子神社
「八王子」という地名の由来にもなっている八王子神社（城山）。しかし、存在は市民の間でもあまり知られていない。そんな状況を改善して、もっと目を向けてもらおうと、市内のＮＰＯ法人「まちづくり環境安全再生機構」（青木敏全理事長）が今月、勉強会を開く。
参拝はほとんど登山だ。八王子城跡のある城山の山道を約40分登り、９合目を越えた先に八王子神社はある。軸組みと屋根で構成された素朴な造りだ。
「まちづくり環境安全再生機構」が、市制１００周年に向けた活動を考えたときに理事長の青木さんが提案したのが八王子神社の復興だった。「八王子の由来の一つにもなっているのに、知らない市民が多い現状を変えたい。もっと多くの人が参拝するようになれば」。ＮＰＯのメンバーのほとんども神社の存在を知らなかった。調べてみると「八王子神社」という神社は各地にあることがわかった。「全国にあるのに、なぜ市町村名としては八王子市だけなのかも不思議に思った」とメンバーの１人。「謎解きみたい」。とたんに興味が沸いたという。
神社本庁によると、全国に「八王子神社」は１６０社（うち１社は八王「寺」）の登録があるという。八王子市郷土資料館によると、御祭神の八王子権現は牛頭天王の８人の息子が１柱に神格化されたもので、とくに西日本に多いという。「八王子という地名は16世紀半ばには確認できます。八王子城があったことからその一帯が八王子と呼ばれるようになりました。城の名前の由来が八王子神社。八王子神社は山岳信仰と関係が深く、山岳信仰の山伏から情報収集していた北條氏がそこから名前をとったのかも。また、関東では珍しい神社だったことも理由かもしれません」としている。
八王子神社と八幡神社の宮司を務める梶原正統さんによると「空気が澄んだ日はスカイツリーも見えますね。近年はハイキングに来る人が増えている」と話す。梶原さんも神事や掃除のために年に４〜５回ほど登るという。神事のみだが例大祭も行われている。「もっと知ってもらえたら」
14日勉強会
12月14日（水）に八王子東急スクエア12階第１セミナー室で勉強会を行う。「八王子神社は判明していないことも多い。来場者からの情報提供にも期待している」と青木さん。午前10時から11時30分。参加希望者は直接会場へ。（問）同ＮＰＯ【電話】０４２・６４４・１８８８
まちづくり環境安全再生機構のメンバー
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