昨年9月に発刊した小学生向けの月刊誌「たくさんのふしぎ(福音館書店刊)」の絵を担当した岡本よしろうさん(二葉在住)の原画展が、津久井にある絵本専門店「うみべのえほんやツバメ号」で開かれている。
「生きていること
いま生きているということ」
「それはのどがかわくということ」
「木漏れ日がまぶしいということ」
詩人・谷川俊太郎さんが40年以上前に手掛けた詩『生きる』。震災を機に、現代にも通ずるこの詩の感性を子どもたちに伝えたい―という編集者の想いを受け、同誌で岡本さんが絵を描くことになった。
絵に取り掛かる前に行ったのは、詩の解釈。言葉に隠された”仕掛け探し”に多くの時間を費やした。さらに、編集者から与えられた課題は「詩のイメージブックではなく、言葉の意味とつかず離れずであること」。ストーリーの原案からラフ製作まで30回近く、描いては考える日々。完成するまで1年半かかった。「画家として新たな挑戦でした」と岡本さんは創作を振り返る。
絵の舞台の”モチーフ”となっているのは横須賀。商店街や公園、海の見える景色など、横須賀のノスタルジックな空気が漂う。
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山口県出身の岡本さんは、美大進学のため上京。横須賀に移住したのは5年前の夏だ。「海や山の自然、都会との距離感がいい」。現在は、絵本作家として活動するほか、イラストや造形などで才能を発揮する。今回の展示では、原画に『生きる』の詩を添え、言葉が持つ奥深さに立ち止まり、絵に登場する人たちが「いまを生きる姿」を感じ取ることができる。同誌『生きる』のサイン本販売もあり。会期は今月30日(火)まで。詳細は、同店【電話】046・884・8661
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