全日本フルコンタクト・テコンドー選手権で優勝した 趙 哲来さん 鎌倉大船テコンドークラブ主宰 32歳
「競技の魅力伝えたい」
○…11月29日、東京都で行われた全日本フルコンタクトテコンドー選手権組手男子無差別級で優勝した。2011年、12年大会を制し、三連覇が期待された昨年は2回戦で敗退。それだけに喜びもひとしおの様子で「再び優勝できてうれしい。年齢的にも引退を考えていたけれど、選手として続けていこうと改めて思った」と凛々しい表情で語る。
○…横浜市生まれ。中学、高校と市内玉縄の栄光学園で過ごした。「単純に強くなりたいと思っていた」という中学生の頃、夢中になったのがテレビゲームの「鉄拳」。キャラクターが使用していたことから、テコンドーに興味をもった。近くにあった道場に見学に行くと「とにかく技が華麗でかっこよくて」とすぐに入会。次第に大会に出場するまで力をつけた。「持って生まれた才能よりもどれだけ努力したか、が結果につながる。コツコツ型の自分に合っていた」と話す。
○…横浜市立大学に進むと、テコンドー部を設立。友人に協力してもらい、10人でスタートした。在学中は部の活動に奔走。初めて指導する立場になり、自身の練習とのバランスに悩むこともあったが「教えることで自分の力もついた」と振り返る。卒業後も会社員をしながら競技を続け、福岡に転勤になったときは現地で教室を開いた。一昨年、神奈川県に戻り家業の手伝いを開始。父親の経営するビルで「鎌倉大船テコンドークラブ」の運営を始めた。現在は横浜や川崎の教室でも指導しており「子どもたちの指導にもっと力を入れたい」というのが今後の抱負だ。
○…「試合前の挨拶など、テコンドーは礼儀を重んじる。人生における大切なものを多く学んだ」。それだけにまだまだ低い知名度に歯がゆさを感じている。「自分が頑張ることで、少しでも多くの人に魅力を知ってもらえたらうれしい」。さらなる高みを目指すため、競技の普及のため、これからも技を磨いていく。