小田原版 掲載号:2017年5月6日号
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小田原の戦跡を紹介したリーフレットを手掛けた「戦時下の小田原地方を記録する会」で事務局長を務める 井上 弘さん 栄町在住 61歳

根底にある平和への願い

 ○…「小田原で戦時中にあった出来事をリーフレットにまとめたいので協力してほしい」。教員経験者5人で構成される会で地元の戦争史を調査研究して38年、小中学校でも配布する予定と聞いて「子どもたちに戦争を伝える教材が必要だと思っていた」と市の依頼を受諾。市内にある痕跡をまとめたリーフレットが完成し、「身近な場所で戦争があったことを、自分の目で確かめてほしい」と、その活用に期待を込める。

 ○…年2回発行する会誌『戦争と民衆』は通算78号。生の声を聴くことを信条とし、これまでに取材した西湘地区の戦争体験者は約150人にのぼる。会の発足当初は現代史を専攻する大学院生。耳を覆いたくなるような壮絶な体験談も、「事実を追求することが歴史を学ぶということ」。研究の視点では貴重な素材だったが、結婚して父親となり、身の回りの環境が変化するにつれて、「亡くなった人の無念さをより強く感じるようになった」。

 ○…自宅の壁の至る所には、すでに成人した子どもたちが幼かった頃の写真や絵画が飾られている。「3人とも男だから、女の子がいれば華やかだったのに。孫に期待かな」と言いながらも、その眼差しはとろけそうに優しい。「家族でいる時が一番幸せ。それも平和なくしてありえないこと」

 ○…小学校教諭として静岡県で採用され、学校長まで勤め上げた。現在は新採用の先生を非常勤で指導する傍ら、「現代の学生たちはどのように研究しているのか。彼らと一緒に学ぶことで刺激を受けたい」と、知人の伝手で都内の大学院でゼミに参加している。延焼を避けるために小田原でも建物疎開があった史実、傷痍軍人の療養所だった箱根病院からパラリンピックに多くの選手が出場していた実績。「長年研究していても新たに分かってくることがある。押しつけはしないが、根底にある思いは平和を伝えること。健康である以上続けていきたい」

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