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秦野 トップニュース経済

公開日:2015.11.12

陣屋(鶴巻)
「攻めのIT経営」百選に
経産省が中小企業選定 

  • 百選の楯を持つ陣屋女将・知子さん

 経済産業省が10月27日、「攻めのIT経営中小企業百選」を発表し、秦野市鶴巻の「株式会社 陣屋」(宮崎富夫代表取締役社長・38)が選ばれた。このほど新設された取り組みで、3年間で100社の選定が予定されている。今回は、最初の33社が発表された。

 同省によると、国内企業においてITの活用が、業務効率化やコスト削減など「守り」に主眼が置かれ、これに対して外国企業では、製品・サービス開発強化やビジネスモデル変革など新しい価値の創出や競争力強化による「攻め」のIT活用が積極的に行われているという。

 そこで、先進的なIT活用によって成果を上げている中小企業を好事例として選定し、国内企業でも攻めのIT投資・利活用の促進につなげたい考えだ。

 今回、県内からは4社が選定され、宿泊業では全国でも唯一陣屋が選ばれた。

 陣屋で活用されているのが「陣屋コネクト」という独自開発システムだ。2009年、それまで大手自動車メーカー研究所でエンジニアをしていた宮崎社長が、父の他界などもあり急きょ社長に就任。リーマンショックの影響などで苦境にあった経営を立て直すために心血を注いだシステムだ。

 まずは、それまで膨大な紙の台帳に記載されていた顧客情報をシステム上にデータ化。料理の原価計算や人件費管理、予実管理なども整理し、スタッフ全員がスマートフォンやタブレットですぐに必要な情報を入手、共有できる仕組みを作り上げた。

 陣屋の過去5年間の売上の伸びは約1・5倍で経常利益の黒字化も実現した。さらにこの「陣屋コネクト」を販売する別会社を2012年に設立。現在、全国約170の施設で運用されているという。

 システム導入を検討する経営者には、IT化で対面サービスの質が落ちると危惧する人もいるという。宮崎社長の妻で女将の知子さん(38)は「(IT活用は)ほとんどが裏方の業務を効率化することで、逆におもてなしの時間が確保できるようになります」と笑顔で説明した。今回の選定に「光栄に思っております。トップランナーで有り続けられるよう、今後とも努力して参ります」と話した。

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