秦野 社会
公開日:2016.10.06
間伐材に命吹き込む
3人の手でロケットストーブ完成
秦野市平沢のイタリアンレストラン「トラットリアフーコ」の店内に、間伐材の丸太で作られたロケットストーブが飾られている。日頃はインテリア照明として飾り、災害時には内部に火をつけ暖房や調理に利用できるという。
「一つの間伐材が3人の手に渡って偶然出来たものなんですよ」。そう話すのは同店の宅見知明シェフ(45)。事の発端は小田原で林業を営む下田節さんが間伐材を利用してロケットストーブを作っていたことだった。秦野市渋沢在住のイラストレーター・中村千代乃さん(39)は、以前から下田さんの活動に賛同しており、表面にデザイン画を描くことを思いついた。「下田さんは間伐材を無駄にせず、人の役に立つものに変えている。ものや人を大事にしようとする気持ちが素敵で、その精神をより多くの人に知ってもらえるよう私にできることを考えました」
8月、中村さんは友人である宅見さんの店にデザイン画を施したロケットストーブを持参。そこには店名の「フーコ」(イタリア語でオスのミツバチ)にちなんだ絵が描かれていた。宅見シェフは話に感心し、同店を訪れた人たちに喜んで貰えればと、ワインボトルと電球を取り付けてインテリアにした。完成した姿を見て、下田さんと中村さんも喜んでいたという。宅見さんは「二人と一緒に間伐材に命を吹き込めた気がします」と話した。
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