青葉区版 掲載号:2012年3月1日号
  • googleplus
  • LINE

先月、第一詩集『ウイルスちゃん』で第17回中原中也(ちゅうや)賞を受賞した 暁方(あけがた)ミセイさん みたけ台在住 23歳

”自然体”で綴った死生観

 ○…詩人デビューから2年目。第一詩集となる『ウイルスちゃん』で、現代詩の新人登竜門とされる中原中也賞に輝いた。「世界葬」「鷺沼プール」「中国紀行」など、死の方向から見た生を独特の世界観で綴る。受賞について、「本当かなって半信半疑。でも、賞を頂いたことで、もっと自由に書けるような気がしている。書ける限り、ずっと書き続けたい」と喜びを滲(にじ)ませる。

 ○…『ウイルスちゃん』という表題。出版社から猛烈な反対を受けたが、どうしても譲れなかった理由がある。学校生活や社会との距離を感じていた学生時代。「馴染めなくて、同じ空間にいても、壁一枚隔たれているような感覚だった」。真面目で居なければと抑圧する一方で、突拍子もないことをしたいという疼(うず)き。浮遊しながら人間を見据え、肉体をむしばむ”ウイルス”を自身に重ね、思いを馳せた。「愛着すら感じて、『ちゃん』づけに」と微笑む。

 ○…中学生からインターネットの詩人コーナーへ投稿を始める。詩への芽生えは幼い頃、父と度々訪れた富士山や丹沢での感覚。自然と自分、宇宙と自分―。「自然の中に居る自分の方が、現実のような気がした」。宇宙の延長線上にある生物の営みを言葉に刻みたい。そんな折、宮沢賢治の世界観に共鳴し、心酔した。「幼い頃からのめり込んできたので、まるで父や兄のような慕い方」と表情を緩める。

 ○…大学生時代、中国やモンゴルへ旅をした。どこまでも広がる荒涼とした大地。切り立った断崖絶壁の道程。そこには漠然と憧れた死が身近にあった。出会う人々との距離感も心地よい。「社会という着ぐるみを着る必要がなかった。身体ひとつの”ストレンジャー”として、自分や自然と向き合えた」。詩人でやっていくと腹を括(くく)ったのは、その頃から。「生涯、自分のしてきたことが何も残らないのは嫌で」。現在、社会人1年生。”現実社会”に挑んだ若き詩人が辿る新たな境地が待ち遠しい。
 

青葉区版の人物風土記最新6件

酒井 沃子(ようこ)さん

15周年を迎える演奏会「65歳からのアートライフ」を開催する

酒井 沃子(ようこ)さん

2月1日号

吉村 春美さん

青葉区民生委員児童委員協議会会長として2月2日に講演会を開催する

吉村 春美さん

1月25日号

大日方(おびなた) 邦子さん

2018年平昌(ピョンチャン)パラリンピックで選手団長として日本代表チームを率いる

大日方(おびなた) 邦子さん

1月18日号

田中 綾さん

「市が尾 トコトコ スタンプラリー」を企画する

田中 綾さん

1月11日号

バラノヴスカヤ 紗衣(さえ)さん

横浜市「成人の日」記念行事実行委員会の実行委員長を務める

バラノヴスカヤ 紗衣(さえ)さん

1月1日号

加藤 裕子(ひろこ)さん

23日に行われる「クリスマスジュニアコーラス」の指導・指揮を務める

加藤 裕子(ひろこ)さん

12月21日号

神奈川県議会議員 内田みほこ

備えあれば憂いなし!~準備万端に!自身も災害も将来も~

http://www.rose-miho.com/

ヴィンテージ・ヴィラ横浜

2/4・5・6個別見学会 神奈川県住宅供給公社の介護付有料老人ホーム

http://vintage-villa.net/yokohama/

<PR>

青葉区版の関連リンク

あっとほーむデスク

青葉区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

最近よく読まれている記事

バックナンバー最新号:2018年2月1日号

お問い合わせ

外部リンク