鴨志田郵便局で現在、鴨志田の雪景色を描いた油絵を展示している 永島達四郎(たつしろう)さん 鴨志田町在住 75歳
絵画で結ぶ人と街
○…郵便局でいつも地域の人々を出迎えている季節彩る絵。今回は我が町の雪景色を展示。「今までで一番大きくて。車に乗らず自宅から局長と歩いて運んでね」と微笑む。きっかけは開局25周年だと知り、「春一番」と題した贈った作品。温もり溢れる絵に惹かれた局長に依頼され、2年前から郵便局の待合フロアで絵の展示をスタートした。郵便局の”お抱え画伯”。鴨志田の雪解け、横浜港、向日葵の絵。毎回「楽しい気分になる絵」を飾っている。
○…東京都世田谷区生まれ。絵を本格的に始めたのは50歳の時。導いたのは、偶然見掛けたカレンダーの絵だった。「将来、絵描きにならないか」。中学時代、自身の絵を認め、こう言ってくれた美術教諭の名前がカレンダーの挿絵に。記された住所を辿り、恩師のもとで一から絵を学んだ。「誤魔化せない風景画が良いね」。古稀の記念には作品集を完成。冒頭には「良き友に恵まれて楽しく絵を描いていられる幸せを神に友に妻に感謝」。積年の思いを綴った。
○…病気がちだったことから26年前、「空気の美味しいところに行こう」と緑豊かな鴨志田にやってきた。「本当に病気が治っちゃってね」。もっと大きな絵を描ける部屋を求め、団地内で引越しもした。夫婦二人暮らしの穏やかな日々。自宅は数々の作品を展示した美術館のような空間が広がる。寝室には壁一面の巨大絵画を飾る。「手のひらも使って質感を出すのが僕流」。型にはまらない絵を描く。
○…「仕事がんばってるね」「調子はどうだい」。郵便局では息子、娘のように可愛がる局員に声を掛ける。郵便局で絵を見た人々からは「この方に会ってみたい」「絵が欲しい」と反響を生んでいる。アトリエに招き絵を披露することも。「絵を通じて、この歳で地域の方々と出会えるのは嬉しい」。絵が好きな仲間と「サークル活動もしてみたい」と秘かな思いを抱く。「元気づけようと思って」。心がほっと和む街の絵を発信する。
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