3月に青葉警察署長に着任した 渡邊 宏(ひろし)さん 青葉区在住 54歳
「警察人生」に悔いなし
○…まちを知るため、住まいから青葉署まで徒歩10分の道のりを約30分かけて通う日々。「朝は掃き掃除の音で起きる。通学路には見守り隊が立ち、近所同士で会話を交わす、すごくいいまち」と、青葉区の第一印象を笑顔で語る。着任後、署員に伝えたことは「安全、安心で住民が住み続けたいまちを青葉区で実現すること」。地域住民や行政、関係団体と協力し、署員約250人の舵取り役は、静かに意気込む。
○…自称「バリバリの体育会系」で中学、高校、大学と野球部に所属。「選手としては三流だった」と謙遜するが、大学4年生のときには寮長として部員に模範を示していた。「悪いことは許さない、人の役に立ちたい」と、在学中に警察官を志した。「学校の先生と迷った」というが、「生徒だけではなく、子どもからお年寄りまで多くの人と関われると思い、この道を選んだ」。県内各署や刑事教官などを経て、この道一筋30年以上。「この仕事が天職」と人生の選択に誇りを持つ。
○…前任は、殺人や強盗、など凶悪犯罪に対峙する刑事部捜査一課課長。厚木市男児の白骨化遺体遺棄事件や川崎市の男子中学生殺害事件などを担当してきた。「その前に救えなかったのか」。痛ましい事件に思いを馳せ、顔を曇らせる。「事件の全容を明らかにし、同じような被害者を出さないことも大切な仕事」。犯人逮捕はもちろん、「不備な社会の仕組みを変えるきっかけになれば」とほぼ不休で捜査に尽力してきた。
○…「弱い立場の人を守るのが仕事」。治安上の生活弱者である高齢者や子ども、女性を犯罪被害から救う。着任して間もないが、「昨年に比べて空き巣が倍近くに増え、人身事故も増加傾向」と青葉署管内の状況を直視する。横須賀に住む家族と離れ、一人暮らしの生活。「署長も大変だけど、食事の準備が一番大変」。帰宅途中でも青葉の日常に目を向ける指揮官が、父親の顔を一瞬のぞかせた。
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