青葉区 人物風土記
公開日:2018.12.06
3枚目のアルバムをリリースしたジャズシンガーで、地元でライブ活動を行う
黒田 ナオコさん
藤が丘在住 49歳
「出逢い」糧に 日々邁進
○…スウィングにボサノバ、そしてバラード。定番の名曲たちを詰め込んだ自身3枚目のフルアルバムを「集大成」と評する。「ちょっと心の余裕が出てきたかな」。ステージに段差がほぼなく、フラットな空間で楽しめるジャズの魅力は、大規模なクラブでも地元の飲食店でも同じ。「ジャズを聴くのに知識はいらない。お茶でも飲みながら楽しんでもらえたら」と軽やかに微笑む。
○…物心ついた頃から歌が好き。5歳でピアノを始め、中・高とオーケストラ部でチェロを担当。合唱コンクールでは指揮者を務め、全パートを歌って指導するなど「音楽行事ではりきる子」。ジャズを始めたのは都内の商社に勤めていた頃。気軽に習いに行った初日にプロのバンドの生演奏で歌い、その魅力に惹きこまれた。誘われるままステージを経験、気づいたら会社を辞めて講師になり、百人もの生徒を抱えたことも。その後渡米し、バークリー音楽大学で本格的にジャズを学んだ。
○…「コネなし、金なし。出逢いだけなの」。プロを目指したのは出産後のこと。「大変な育児の中で『自分』を持っていたかった」。生半可では続けられない、何としても仕事にする。固い決意のもと週末の夜に夫に娘を託し、ジャズクラブに売り込みに通った。馬鹿にされて追い返されても「やっている時は夢中」。横浜のクラブは全て回り、やっと1軒ステージに立ってからは、他の店からも声がかかるように。1つの出逢いで道が開けると肌で感じ、家事に育児に奔走しながら駆け抜けてきた。
○…現在は自宅で指導も行う。中学生の娘には「頑張っていれば結果がついてくる。そんな姿をみせたい」と願う。夢は「青葉区が若い才能が生まれる、文化の土壌になること」。ジャズを通し、その可能性を広げていく。
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