奈良の丘小学校学援隊の発起人で、12年間通学路に立ち続ける 平野 英利さん 奈良在住 82歳
児童の笑顔が元気の源
○…児童の登校を見守る奈良の丘小学校学援隊の活動を2007年から始め、手押し車を使う今もほぼ毎日通学路に立ち続ける。「以前、低学年の子が登校しながら泣いていたことがあってね。声を掛けたら『遅くなって、遅刻しちゃうから行きたくない』っていうんだ。だから、校門まで一緒に行ったら笑顔を取り戻して、『おじいさん、ありがとう』って言われてね。そういうことがあると、辞められないよね」と活動のやりがいを語る。
○…学援隊発足のきっかけは、地域の老人会の会長をしていた時に、地元の自治会長から見守りを要請されたのがきっかけ。老人会のメンバーに声をかけ、有志で学援隊を立ち上げた。昨年3月には横浜市教育委員会から活動の表彰を受けた。腰を悪くして代表は退いたが、「生きがいみたいなものだからね。これからもずっと続けていくよ」と優しく語る。
○…栃木県出身。父や兄が教師をしていたこと、そして中学時代の担任が熱心な人で「悩みがあると自宅で一晩中でも話を聞いてくれた」ことに感銘を受け、自身も教師をめざすようになり、都内の大学に進学。神奈川県の教員採用試験を受け、川崎市内の中学校で長年教鞭をとってきた。「学校が荒れていた時代もあってね。胃に穴があいたこともあったよ」と振り返るが、教師として歩んだ人生に悔いはない。今も教え子の同窓会に呼ばれることが多く、「続けてきてよかったなって思う」と笑顔で語る。
○…奈良に移り住んで20年。好きな言葉は「忠実」。執筆好きで過去には新聞の投稿欄に何度も採用されたというエピソードも。「今は子どもたちの笑顔が一番の元気の源。学援隊の活動は米寿までは続けたいね」。一度決めたら忠実に。意志のこもった笑顔だった。
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