青葉区 人物風土記
公開日:2022.09.08
市ケ尾町に障害福祉のアンテナショップをオープンした
手島 淳一さん
鴨志田町在住 49歳
小さなことから支援を
○…「人一倍時間をかけて丁寧に作った商品をもっと地域の人たちに見て知ってもらいたい」。9月、アンテナショップ「サリサリ」を市が尾駅近くにオープン。店には障害者が作業所で作った温かみのある木工の文房具やおもちゃ、不揃いだが、地元で採れた無農薬の旬野菜が並び、地域密着の店になっている。
○…姪がてんかんを患ったことを機に福祉の世界へ。障害者施設の職員として働く中で、施設に受け入れられずに居場所のない障害者や、家族からネグレクトを受けている障害者の姿を目の当たりに。5年前にNPO法人らいちょうを立ち上げ、現在は障害者の自立支援を行う福祉作業所を運営しているが、そこでは障害者の居場所であると同時に、家族支援も行い、親子間の関係づくりにも力を注ぐ。
○…3人の娘を男手一つで育てる中で、女性が活躍できる環境の少なさを実感。それなら活躍の場を自分が用意しようと法人名は女性活動家の平塚らいてうから名付けた。今は娘2人も一緒に働いているが、その家族的な雰囲気からか、10年間引きこもりだった利用者が、今では5年間1度も休んでいないという。「障害があっても、みんなが同じ土俵で戦えるお手伝いをしていけたら」
○…20代の頃、訪れたフィリピンでストリートチルドレンの物乞いに衝撃を受けた。「どんな国でも同じ人間。なぜ同じように食べられないのか」。食料を渡すと「翌日の責任が取れるのか」と叱責を受けた。それ以来、物資の支援や孤児院へ寄付を続けて27年。現地では「パパじゅん」と親しまれ、「子どもたちの笑顔が見られるだけでいい」と手を差し伸べてきた。フィリピン語でコンビニの意「サリサリ」を誰もが輝ける場として地域に根付かせていく。
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