文部省(当時)が、「邑に不学の戸なく、家に不学の人なからしめんことを期す」と記した学制を頒布した1872年(明治5年)。これを受けて翌73年に、現在の青葉区に4つの小学校が誕生した。鉄小学校、谷本小学校、田奈小学校、山内小学校。今年創立150周年の節目を迎える。
鉄小学校
1873年4月1日を創立記念日とするのが、鉄・大場・黒須田・成合の4村を学区とした鉄小学校。創設時は中鉄村の村田敬之助氏の自宅で、「鉄学舎」という名称だった。76年には寺家・鴨志田村も学区に加え、現在の「青少年野外活動センター」の場所に校舎を新築。「鉄学校」に改名した。横浜市立鉄小学校になったのは1947年のことだ。
種もみから稲刈りまで、本格的な稲作に取り組んでいるのが同小の特徴。地域の人々の指導を受けながら、野菜や果樹づくりにも取り組み、毎年11月には収穫祭を実施している。
150周年を迎える今年は、11月11日に記念式典を予定。玉置恭美校長は「鉄小学校の取り組みは地域の方の力が不可欠。児童たちが地域の将来を考える一年にしていきたい」と話している。
谷本小学校
1873年5月、千草台にあった安養寺を仮校舎として誕生した「谷本学舎」。学区域は旧下谷本(今の千草台)、上谷本、恩田成合、市ケ尾の4村で当時の児童数は80人余りだった。74年5月に現在の下校舎の場所に仮校舎を建設した。
戦後、谷本小学校がテーマとしたのは科学教育の研究。1950年頃には、当時の小学校としては珍しい水族館・鳥小屋・飼育池、気象観測台などを作り上げた。飼育していたヤギが死んで埋葬した後、もう一度掘り起こして作った骨格標本は今も資料室に保管されているという。
150周年を迎える今年。高橋哲雄校長は「地域に根差した歴史を感じながら、生まれ育った場所や地域との繋がりを、大事に思える気持ちを学んでもらえる取り組みをしていきたい」と話している。
田奈小学校
恩田村にあった民家を借りて1873年6月に創立されたのが「恩田学舎」、今の田奈小学校だ。79年に校舎を新築。91年には亜鉛ぶき平屋洋館の校舎に改築された。その頃に校舎の入り口に取り付けてあった「鳳」の彫刻は、今も田奈小学校に残り、職員玄関前に展示されている。
恩田、長津田、奈良の3村が合併し、田奈村となったのが1889年。小学校の名前に田奈が最初についたのは1900年のことだ。
150周年に向けては昨年から実行委員会が中心となり記念事業をスタート。12月には田奈小の児童や地域の人も参加したマラソン大会が開催された。「今年は様々な行事に冠をつけて盛り上げていきたい。地域と繋がる機会にできれば」と大原敦子校長は話す。
山内小学校
荏田村にあった観福寺に1873年7月、「荏田学舎」と称して開校したとされる山内小学校。75年に「小学荏田学校」に改称。1902年に初めて山内の名称がついた。
長い歴史の中で、1880年には暴風雨に襲われ校舎が倒壊。翌年1月まで休校となったこともあったそうだ。
150周年を迎えた今年は学校運営協議会を中心に記念誌などの企画を練っていく予定だが、あくまでも主体は児童たち。同校のキャラクター「ケヤリーフ」を使った記念のLINEスタンプなどを児童のアイデアで作るほか、郵便局と協力して記念切手やラッピングポストなども企画しているという。佐藤正淳校長は「児童たちにも主体的に参加してもらい、皆の記念となるあたたかい1年にしていきたい」と話している。
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