学校歯科医を45年間務め、このほど定年となる 桑名 俊二さん 美しが丘在住 75歳
「歯を大切に」伝え45年
○…美しが丘中学校の開校以来、この3月まで学校歯科医として総勢5700人あまりの生徒の健診を続けてきた。歯科医として公衆衛生の向上に努めた45年間。生徒に贈られたメッセージカードに顔もほころぶ。生徒達には、歯を大切にする気持ちを持ち続けてほしい、と思いを語る。
○…目黒区洗足出身。祖父から続く歯科医の家系で、父と12歳差の兄が治療と向き合う姿を見て育つ。小学生の時に大病を患い、1年ほど通学できない時期もあったが、自分自身が医療に接し、歯のことで困っている人を助けたいと思うようになるのは自然な流れ。歯科医院での勤務を経て、1977年に当時は新興住宅地だった美しが丘で「桑名歯科医院」を開院した。この街で一番しっかり患者を診る歯科医になりたいと常に思い、当初から予防分野に力を入れてきたと振り返る。
○…多士済々が集うあざみ野ローンテニスクラブに在籍し、休診日にはクラブの友人とテニスを楽しみ、食事を共にしてリフレッシュ。歯科助手で、事務を取り仕切る妻とは旅行を楽しんでいるという。娘2人は歯科医と植木職人となったが、家庭内では娘に甘い父親だったと照れ笑う。
○…開院当時は子どもの患者が多かったが、今は高齢者が中心に。長く通っている患者のためにも「目が見えて、手が動く限りはずっと診続けていきたい」と話す。時代に合わせて治療内容の変化に対応してきたが、今後、自分が果たしていくべき役割は総入れ歯だときっぱり。自由診療の精密な義歯など、自らの技術で地域医療に貢献していく考えだ。長く医療に携わってきたが、改めて思うのは「お金で買えないものほど、大事なものはない」ということ。その1つ、健康を守るために今日も治療を行う。
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