戻る

青葉区 人物風土記

公開日:2024.04.11

4月に横浜美術大学の新学長に就任した
加藤 良次さん
青葉区在勤 66歳

伝統継承に新しい風

 ○…「伝統は固執していると廃れていく。新たなものを取り入れて進化させながら、守っていく」。赴任して15年目、4月から横浜美術大学の新たな顔に。「学校や職場においても同じ。人も環境も変化し続けている社会に対応していく組織に」と意気込む。

 ○…静岡県浜松市で生まれ育った。学級委員長に志願するリーダーシップを持ち、絵を描くことが大好きな少年だった。動物園に行っては「端っこにいるマニアックな動物を描いていた」と笑う。数々のコンクールで入賞し、中学3年からイラストレーターを志すように。受験に2度落ちるも「一次を通過したから次は合格できる」と両親に懇願、3度目の正直で東京藝術大学に合格。染織を専門に学び、大学院、研究室に進み、同大で講師も務めた。

 ○…学生時代、英国王立美術大学の教員から受けた「何を作るか決めてからそれに合う技術を決めるのが美術ではないのか」との助言が転機に。作品に対する考え方が変わり、布を始めとした素材を最大限に生かすことを大前提とした制作活動に取り組む。学生に指導するテキスタイルデザイン(布のデザイン)の魅力を「衣食住と切っては切り離せないもの」と説く。「繊維は古くから暮らしに密接に結びついているも後世に残らない」と話し、最近は日本の伝統文化継承のため「五條赤根」の研究にも参画。古来の伝統色「茜」の復活にも携わっている。

 ○…地域にも積極的に顔を出し「芸術は人の目に触れてなんぼ」と寺家町の屋外展示アートイベント「寺家回廊」にも参加。田園風景に突如出現した赤いバランスボールはこの人の仕業だ。「なんだこれと思わせることが掴みになる。それも伝統継承に」と先陣を切って新たな風を吹かせる。

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

青葉区 人物風土記の新着記事

青葉区 人物風土記の記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS