コラム(53)専門医が分かりやすく解説 目のお悩みQ&A 『黒目に白い膜が入り込んで大きくなってきましたが、どうしたらよいでしょうか?』
黒目(角膜)の中に白目(結膜)の組織が異常侵入してくる病気は"翼状片"と呼ばれ、紫外線やドライアイなどが誘因とされています。外傷や角膜の炎症疾患などの後にも同じような状態になることがあり、偽翼状片と言われます。小さなものなら症状はほとんどなく、治療の必要はありません。ですが、翼状片が大きくなると、目に入る光の遮断や、角膜が歪み乱視が強くなることで見えにくさが生じます。
治療は、点眼でよくなるものではなく手術になります。角膜表面から翼状片組織を剥がし、根元で切断し、翼状片の侵入部を覆うように周りの正常な結膜を縫合します。術後数日は角膜表面の傷や縫合部の痛み、充血が続くなど経過が辛い手術の一つになります。
翼状片は再発しやすく、特に若い人の小さな翼状片を軽い気持ちで取ると、返って再発で悪化することもあり、手術時期は慎重に決める必要があります。翼状片の大きさや乱視の程度が基準になります。大きな翼状片を長期間放置すると、手術後も角膜の混濁が残ることがある他、翼状片による乱視は手術で回復しないので、乱視が強くなる前の手術が大切です。
角膜の周囲が環状に白くなる"老人環"は加齢による変化で治療の適応にはなりません。
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