理化学機器の開発などを手がける昭光サイエンス(株)(あざみ野)が5月30日、次世代エネルギーとして注目される水素ガスの原材料由来分析サービス開始を発表した。同技術では、二酸化炭素を排出しないで製造された”グリーン水素”か判別する一材料を示すことができる。
グリーン水素とは、水素ガスを生成する際、化石燃料由来の「グレー水素」や、化石燃料を使用するものの排出される二酸化炭素を回収・利用する「ブルー水素」に対して、水の電気分解など環境負荷の小さい方法で製造された水素の呼称。同社の提供するサービスでは、僅かに重さの異なる水素元素の同位体比を精密に測定する安定同位体比分析で、物質の起源や生成過程を判別する指標を示すことができる。
同社の技術チーム・東海武史博士は「水素ガスの分析を担当しているのは当社の埼玉事業所。分析機器だけでなく、重要な工程である試料の前処理などは、長年の経験を積んだスタッフが支えてくれている」と話す。
近年、化石燃料に代わる次世代エネルギーとして注目される水素ガス。ガスメーカーやエネルギー関連会社が水素ガスを扱う際、環境負荷低減や脱炭素化などの付加価値の根拠として、同分析のデータの需要が年々増加しているという。
広がる活用分野
30年以上にわたる実績を持つ同社の安定同位体比分析。考古学における化石の分析や、スパークリング日本酒ブランド「awa酒」の認定などの産地・原料判別のほか、海洋生物の生育環境の特定、環境汚染物質の発生源追跡などにも利用されている。岩田和則代表取締役社長は「安定同位体比分析の活用の幅は広い。さまざまな社会問題の解決に貢献できれば」と期待を寄せた。
![]() 東海博士(左)と岩田代表
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