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青葉区 コラム

公開日:2025.08.05

2025横浜市長選・回顧〈上〉 山中市政2期目へ
「自公立」相乗りで体制一変

  • 金沢八景駅前で第一声を上げる山中氏(右)と応援に駆け付けた自民党や立憲民主党の議員(7月20日)

 横浜市長選挙が告示された7月20日、2期目を目指す現職の山中竹春市長は、第一声の場に京急・金沢八景駅前を選んだ。市長就任前まで、同駅そばにキャンパスがある横浜市大の医学部教授だった山中氏は「金沢区は横浜市長・山中竹春にとっての原点」と語った。その横には、自民党や立憲民主党の市会議員や国会議員の姿があった。この日は参院選の投開票日。選挙戦では激しくやり合っていた与野党が並ぶ姿は、今回の市長選を象徴するものだった。

 2021年の前回選、山中氏はカジノを含むIR(統合型リゾート)反対を掲げ、立民推薦で当選。当時現職の林文子氏を巡って分裂選挙となった自民が支援する2人を破った。今回、立民は4年間の市政運営を高く評価し、県連が支持した。

自民迷走 独自候補出せず

 一方の自民は迷走した。山中氏の就任当初、公約の一つだった「敬老パスの自己負担ゼロ」に関して市会で財政面の問題を指摘するなど、批判的なスタンスが目立った。分裂選挙となった前回選で苦杯をなめた反省から、「一丸となって応援できる人」(自民市議)を擁立する動きが続いた。今春以降、出馬への意欲を見せる市議がいたほか、党内の選考も行ったが、知名度不足などを理由に、独自候補の擁立を断念。

 6月30日、自民市連が「(山中氏には)4年間、我々の取り組みを理解してもらっている」と一部市議の反発を押し切る形で支持を表明。自民と歩調を合わせる公明も市組織が山中氏を支持し、「自公立」の3党相乗りとなった。さらに、経済界を中心とした山中氏の後援会が加わり、初当選時とは全く異なる支援体制が築かれた。

「支持できない」、応援拒否も

 しかし、自民の中には「山中氏を支持できない。選挙は手伝わない」と応援を拒否する市議が複数いた。街頭演説やビラ配りで姿が見られた市議は32人中10人程度。多くは、自民が公認した金沢区の市議補選候補者(落選)の応援に力を入れていた。

 山中氏は今回の選挙で「オール横浜」を強調。「生みの親」の立民だけではなく、市会第一、二会派の自民、公明に支援を求めた。2期目の安定した市政運営につなげたい狙いだが、ある自民市議は「選挙は勝たないと意味がないので支持した。今後、こちらの政策をもっと受け入れてもらわないと困る」と山中氏に注文を付けた。



 現職の山中竹春氏が再選された市長選。立候補した6人の戦いぶりやそこから見えてきたものを3回にわたって振り返る。

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