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緑区版 公開:2025年5月1日 エリアトップへ

寺山消防署長インタビュー 区内の「火災・救急」の現状 「高い意識」が地域の安全に

社会

公開:2025年5月1日

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取材に答える寺山署長
取材に答える寺山署長

 発足以来、管内の火災発生件数が2024年に過去最少の16件となった緑消防署。同署に23年に着任した寺山洋司署長は、区内の大学や地域との連携、広報などに積極的に取り組んできた。着任して3年目となる寺山署長に、区内の火災や救急などの状況について話を聞いた。

区内の火災発生状況

 寺山署長によれば、今年4月21日現在、緑区内での火災発生件数は12件。昨年同時期に比べて3件の増加となっている。ただし昨年は1月に1人、3月に2人焼死者が出ているが今年は0人。焼損床面積も昨年の180平方メートルに対し、今年は0となっている。「件数は増えてはいるが被害としては少ないと言える。区民の皆さんの協力の賜物」と寺山署長は話す。

 火災原因で多いのは、たばこと放火(疑い含む)。そんな中で注意してほしいと呼び掛けるのが、電気ストーブなどの電気機器や配線器具の断線だ。「電気ストーブなどは、タオルや布団に接触すると火災につながる。配線器具のケーブルも経年劣化してしまうので確認してほしい」

 2011年に設置が義務化された火災報知機も、焼損面積の減少や死傷者減少に役立っているという。ただし、耐用年数が10年と言われているため、電池交換などのメンテナンスは自身で行うことを呼び掛ける。また地震火災を防ぐ感震ブレーカーなども効果的と話す。「ただし、地震が起きた際にブレーカーが落ちるので、夜だと電気が消えて暗くなってしまう。うっかりを補ってくれる機器だが、どのようなデメリットがあるかも理解しておいてもらいたい」と話している。

民間と協力

 これまでさまざまなアイデアを形にしてきた寺山署長。横浜創英大学の学生と協力する熱中症対策の呼び掛け、緑郵便局とのコラボで実現した「走る防火ポスター展」などは署長のアイデアだそう。「消防署だけの発信では効果が薄い部分もある。色々な人や団体と行うことで、効果が2倍にも3倍にもなる」

 十日市場町で一昨年に始まった「十日市場消防DAY」も、地域住民との立ち話から始まったそう。今年の「春の全国火災予防運動」では、区内に在住する外国人への広報を強化するため、ヒンディー語と英語で注意喚起する放送を行った。これも国際交流ラウンジとの雑談から始まり、日本語教室の学習者が協力してくれたという。「緑区にはインドの方を中心に多くの外国人が住んでいる。そういった人にも情報を的確に届けられるよう、今後もバリアフリーの防災に取り組んでいきたい」と先を見据える。

救急搬送が増加

 夏を前に今後増えていくことが予想されるのが救急搬送。夏の熱中症と冬のインフルエンザ。これが大きな割合を占めているそうだ。管内では昨年1万1840件の救急出場があり、これは前年比298件増で過去最多を更新した。

 同署が強く呼びかけているのが、救急車の適正利用だ。昨年は市内で25万6481件の救急出場があり、出場率は2分3秒に1回となった。年代別の搬送人員数では、新生児・乳幼児(0歳〜7歳未満)、少年(7歳以上18歳未満)、成人(18歳以上65歳未満)は軒並み前年から減ったものの、高齢者(65歳以上)が6212人増の12万1349人と約6割を占めている。

 「救急車の要請は断ることができないため、供給数を超えると順番待ちが発生してしまう。そうなると本当に必要な人のもとに車両を送れなくなる。♯7119(救急安心センター事業)や自助・共助を活用いただきたい」と話す寺山署長。

 最後に「我々消防署員は火を消すことはできるが防ぐのは地域の皆さん。意識を高めていただくことが安全なまちづくりにつながる。今後とも協力をお願いいたします」と呼び掛けた。

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