自費出版の小冊子「地域(大倉山)鎮守様の歴史」がこのほど刊行された。著者は大倉山在住の福木照(あきら)さん=人物風土記で紹介。太尾神社が建立されてちょうど60年。今ではあまり知られていない、その経緯を知ることができる、貴重な一冊だ。
福木さんがこの小冊子の作成を思いついたのは、昨年夏。盆踊り後、町内会の定例会で「次は10月に太尾神社の例大祭があるので、太尾神社の話をしてほしい」と請われたのがきっかけだ。福木さんは太尾神社横が生家で、父親は太尾神社の前身の杉山神社の氏子として、神社を管理していた。そんなことから当時の記憶を辿り「昔、大倉山には6つの神社があり、それが一つにまとまり太尾神社ができた」と話したところ「へぇ(知らなかった)…」と言う声が多く聞こえてきた。
福木さんによれば1957年に合併が決まり、翌年旧杉山神社に太尾神社として正式に移転したという。「大倉山に転居してきた人が増え、昔のことを知らないのも当然。一人でも多くの人に知ってほしい」と、まず福木さんがボランティアとして携わるNPO法人「びーのびーの」事務局長の原美紀さんに冊子の編集を相談。また原さんから郷土史家としても知られる、大倉精神文化研究所の平井誠二所長も紹介してもらい、資料提供や文章構成の協力を仰いだ。その他、太尾神社総代や地元町会役員、「鎮守様」に詳しい人々らに話を聞き、資料を集め、約1年かけてまとめあげた。
編集を手伝った平井所長は「太尾神社の合併の経緯が書いてある本は今までどこにもなかった。貴重な資料」と話す。
冊子は自費出版で200冊作成され港北図書館や大倉精神文化研究所付属図書館にも寄贈。同所で閲覧することができる。また大綱中、太尾小などにも寄贈されている。
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