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大倉精神文化研究所 時を超え、変わらぬ思い 創設90周年迎える

文化

掲載号:2022年5月5日号

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貴重な写真資料を手にする平井さん
貴重な写真資料を手にする平井さん

 大倉精神文化研究所は4月、創立90周年の節目を迎えた。港北区の歴史や文化に関する研究や、それに付随した刊行物の出版・講演会の開催など、まさに地域の”知の拠点”。誕生から現在、そして100年に向けての思いを、理事長の平井誠二さんに聞いた。

心を育てる研究所

 同研究所は、1932年(昭和7年)4月9日、実業家で教育者の大倉邦彦氏が設立した。研究所の本館として建てられたのが、現在の横浜市大倉山記念館。研究のために集めた図書を収めた附属図書館も同時に開設された。大倉氏は自身の死後も見通し、4年後には法人化し、2012年に公益財団法人とした。

 1987年に入所し、現在は理事長を務める平井さんは、「根底にあるのは、人々の心を豊かにすること」と設立に秘めた思いを代弁する。「地球上で争うのは人だけ」と常々口にしていた大倉氏。人の持つ欲望や嫉妬などの歪みを正すには教育が必要だと説き「その中心となる研究施設として創設された」という。

 特別な思いから生まれたからこそ、大切にするのが地域とのつながり。「研究に没頭するだけでなく、社会に役立てる」ことを目的に、講演会や地域の歴史をまとめた『わがまち港北』シリーズの発行など、精力的に活動してきた。「取組み自体は特別なものではないが、知ることで地域愛が深まるような内容にして」と平井さん。「地域を好きになれば、街を綺麗にしようとするなど、心が変われば行動も変わるはず。港北区には、たくさんの魅力的な昔話や史跡があるので、もっと多くの人に発信したい」

周年記念事業も

 ここ数年間では、節目の90年に向けて様々な事業も行われた。大倉邦彦没後50年でもあった昨年には、『マンガで学ぶ 大倉邦彦物語』刊行や、附属図書館に「やさしく読める心の本コーナー」を開設。当時は年少者の利用は少なく、むしろ子ども向け図書を処分する話もあったというが、「教育の基礎は子どもたち。むしろ子どもたちがもっと利用したくなるようにするのが大倉さんの想い」と常に創設者の理念が指針となってきた。

デジタル化を推進大倉精神文化研究所

 多言語対応や音声翻訳機の導入なども実施。江戸時代の木版本や海外の古書など、国内外問わず貴重な資料が揃い、海外からの問い合わせもあるという。

 現在力を入れているのが、デジタルアーカイブ。これまでも研究所の書籍や写真資料などの目録検索はオンラインで可能だったというが、内容も含めてデジタルデータで閲覧できるシステムを構築した(一部資料を除く)。並行して研究所のホームページもスマートフォンからも見やすいようにリニューアル。「地元住民から貴重な地域資料を贈られることもしばしば。そうした財産も見て活用してもらってこそのもの。多くの人が気軽に利用できるようにしていきたい」

 2年前には、区民表彰を受けた平井さん。「私自身は区内在住ではないけれど」と話しながら、「地域との深い関わりが評価された。研究所の活動が認められたようで、非常に嬉しかった」と振り返る。

 「今はプラットフォームができ、ようやくスタートラインに立った段階」と、100年目に向けては、デジタルアーカイブの充実を目標に掲げる。「研究所にあるすべての資料が気軽に見られるようにしたい。”研究所が地域にあってよかった”と思ってもらえる存在に」と平井さん。時代とともに進化しても、創設時からの変わらぬ思いを胸にこれからも歩みを進めていく。

記念展示会開催中

 同研究所では現在、「創立90周年記念展示会」を開催中。大倉精神文化研究所の90年の歴史や大倉邦彦氏の生涯、大倉山記念館の特徴や歴史、港北区のあゆみなどを、パネル展示で紹介している。場所は3階回廊で、期間は7月末まで(その後常設展として実施予定)。

開所直前の様子(同研究所提供)
開所直前の様子(同研究所提供)

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