港北区 人物風土記
公開日:2026.06.25
バリアフリーキックボクシング活動の一環でチャリティーイベントを企画した 杉本 拓磨さん 綱島東在勤 44歳
拳がつなぐ温かな絆
○…「強くなることが、誰かの力になる」。自身が代表を務める綱島東のキックボクシングジムで、パンチ1発につき1円の寄付を募るチャリティーイベントを企画した。「楽しみながら社会貢献できることはないか」と思案し、1万発分の寄付金を日本赤十字社へ贈る。参加者が流す汗が誰かの役に立つことを願い、地域に開かれた温かい空間を作り上げる。
○…名古屋市出身。小中学校ではサッカーに打ち込み、高校から格闘技の道へ。プロのキックボクサーとして活躍したが、大けがを機に挫折を経験。逃げるように八丈島へ渡った時期もあったが「このままでは逃げ癖がつく」と一念発起し27歳で単身アメリカへ渡った。皿洗いで食いつなぎながら過酷な練習に耐え、現地の大きな大会で勝利を収めて日本のリングへの凱旋を果たした。
○…異国での挑戦は決して平坦ではなかった。不運なけがで試合がノーコンテストになった日、深夜にもかかわらず仲間たちが温かく迎えてくれたことに涙した。「頑張る人間には誰もが手を差し伸べてくれる」というアメリカでの感動体験が現在の活動の原点。その思いは、障害のある子どもたちがミット打ちを通じてのびのびと感情を解放できる「バリアフリーキックボクシング」の取組みへと結実している。
○…引退後は会社員を経て独立し、ジムを開設した。現在は休日にカフェ巡りや海へのドライブを楽しむなど、穏やかな素顔も覗かせる。健常者と障害のある子どもたちが同じ空間で汗を流し、互いを自然と理解し合える「インクルーシブな居場所を作ること」が今後の目標。誰もが安心して自分らしくいられる場所を広げるため、自身の活動への共感の輪と賛同する仲間をさらに増やしていく。
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