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港北区 人物風土記

公開日:2026.07.30

万華鏡作家として、万華鏡発明者が著した専門書を翻訳・出版した 中村 明功さん 大豆戸町在住 63歳

  • 中村 明功さん (写真1)

光で創る 自分だけの宇宙

 ○…覗き込むと幾何学模様の無限の世界が広がる万華鏡。制作歴30年を誇るベテラン作家として、一つひとつ手作業で幻想的な作品を生み出している。このほど、万華鏡の発明者である物理学者が1858年に著した専門書を自ら日本語訳し、同人本として出版した。「単なるおもちゃではなく、どれほど深く研究されていたのかを知ってほしかった」。現代の作家視点による解説や注釈も添え、歴史的一冊に新たな息吹を吹き込んだ。

 ○…兵庫県出身。算数が大好きな子どもだった。大学卒業後は外資系メーカーで研究開発に従事。転機は30代前半。スイス駐在中に妻・あや子さんが偶然見つけた現地の万華鏡の美しさに衝撃を受け、魅了された。「自分で作ってみたい」。1本分解して構造を確かめ、帰国後に制作を開始。仕事の傍ら情熱を注ぎ続け、60歳で早期退職して専業作家へ。「自分の作った作品を見て、お客さんがうれしそうな顔をしてくれるのが何よりのやりがい」と穏やかにほほ笑む。

 ○…淡々とした語り口の内に熱い情熱を秘める。実は年間100Km以上を走る「超ウルトラマラソン」のランナーという一面も。これまでに下関から青森までの本州縦断フットレース(1550Km)を分割走破した経験を持つタフネス。「会社員時代は勝どきから大豆戸町まで走って帰ることも。苦しくてもゴールの達成感があるから走り続けられる」と笑う。

 ○…手掛ける作品のすべては、大豆戸町の自宅兼アトリエで生み出されている。「万華鏡は科学とアートの接点。昔の記憶で止まっている人にこそ、今の万華鏡の奥深さに触れてほしい」。探求心と職人技で、光と鏡が生む未知の宇宙を追い求め続ける。

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